コロナ禍の介護施設、数か月間マスクなし——政府調査委で浮かぶ「静かな災害」の実態
専門家チームが勧告を却下、方針転換は4か月後——看護師協会トップが証言
オランダのコロナウイルス調査委員会は、パンデミック初期における政府対応の検証を進めている。直近の公聴会では、2020年に介護施設がマスクを数か月にわたり入手できなかった経緯が証言され、当時の意思決定の問題点が改めて浮き彫りになった。
「無責任だった」——看護師協会トップが証言
看護師専門職協会V&VNの会長としてパンデミックを乗り越えたビアンカ・ブールマン氏は、政府の専門家諮問チームOMT(アウトブレイク・マネジメント・チーム)の会議にもオブザーバーとして参加していた。同氏は2020年4月初旬に、介護施設の入居者とスタッフへのマスク供給と検査拡充を求めたが、OMTはこの提案を採用せず、予防的措置は不要との見解を維持し続けた。方針が転換されたのは2020年8月になってからだったとブールマン氏は証言し、この経緯を「フラストレーションを感じるものであり、無責任だった」と表現した。
パンデミック初期、マスクなどの防護具は病院と急性期医療施設に優先配分されており、介護施設はその対象外だった。2022年にオランダ安全委員会(OVV)が発表した報告書は、この状況を「静かな災害」と結論づけており、2020年の公式コロナ死者の半数以上が介護施設で発生していたことが判明している。
ブールマン氏はまた、2020年3月末の面会禁止措置についても「物資不足を考えれば理解できる判断だったが、非常に苛烈なものだった」と述べた。面会禁止によって、入居者が家族の顔を見ることなく亡くなるケースが相次いだという。今後同様の事態が起きた場合、一律の施設閉鎖には賛同しないとも明言し、地域の実情に応じた対応が必要だとの見方を示した。さらに、危機の第一局面において看護師の声は「十分に聞き届けられなかった」とし、OMTを含む主要な諮問機関に看護師の代表が参加していなかった点も問題視した。
監察局も「後手に回った」と認める
同日の公聴会では、パンデミック期間中に保健・若者ケア監察局を率いたマリナ・エッケンハウゼン氏も証言台に立った。同氏は、介護施設の閉鎖や感染者を一か所に集める集約措置という二つの重要な決定がいずれも事前に監察局と協議されることなく下されたと述べ、情報共有の欠如を指摘した。
監察局は施設の入り口で面会禁止の取り締まりを行うことは自らの役割ではないと判断したという。加えて、会議の15分前に資料が届いたり、ラジオで新たな措置を知ることもあり、適切な助言ができない状況に置かれていたと証言した。
調査委員会は9週間かけて約50人の証人から話を聞く予定で、公聴会はすでに「2020年3月により早い段階で行動していれば、第一波の死者数は減らせた可能性が高い」との証言も得ている。在蘭日本人を含む外国人居住者にとっても、将来のパンデミック対応における透明性と現場の声の反映が、いかに重要かを示す記録となっている。
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情報源: DutchNews



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