メインコンテンツへスキップ
13歳少女が両親殺害の疑いで逮捕―メールスタット事件の衝撃と少年法の壁
社会 読了 2分

13歳少女が両親殺害の疑いで逮捕―メールスタット事件の衝撃と少年法の壁

法定後見人不在という前例なき状況、オランダ少年司法はどう対応するか

この記事をシェア ✓ コピーしました

水曜深夜から木曜にかけて、オランダ北部フローニンゲン近郊の住宅地メールスタットで、53歳の夫婦が自宅で死亡しているのが発見された。警察はその後、夫婦の娘とみられる13歳前後の少女を容疑者として逮捕した。専門家はこの事件を「極めて異例」と表現しており、被疑者の年齢の若さと、法定後見人が存在しないという前例のない法的状況の両面で、司法当局は迅速な対応を迫られている。

「できる限り早く明確にしてあげたい」――少年司法の手続き

未成年者が逮捕された場合、まず最寄りの警察署に連行され、当番制の少年法専門弁護士に即座に連絡が入る。弁護士は2時間以内に被疑者のもとへ駆けつけることが義務付けられており、費用は国が負担する。少年法専門家のサンディ・ファン・ゴルクム氏(今回の事件には無関係)は「弁護士はまず信頼関係を築き、手続きを丁寧に説明する。黙秘権があることも成人と同様に伝える」と語る。通常、未成年者の取り調べには親や家族などの信頼できる同席者が認められているが、今回は両親がすでに亡くなっているため、その役割を担う人物が存在しない。少女は現在「接触制限」下に置かれており、弁護士以外との接触が制限されているとみられる。

後見人不在という法的空白

今回の事件で最も緊急の課題となっているのが、法定後見人の問題だ。ファン・ゴルクム氏は「この未成年者には現在、法律上の代理人がいない。できる限り早く手配しなければならない」と指摘する。オランダでは通常、未成年の被疑者には保護者が同席できるが、今回はその保護者自身が事件の被害者となっている。児童福祉評議会(Raad voor de Kinderbescherming)が暫定後見人の手配を行う見込みで、同評議会の広報担当者によれば「数時間で済む場合もあれば、数日かかることもある」という。

警察は少女が取り調べを後見人なしで受けているかどうかについて、NOSの取材に対して明言を避けた。未成年者を拘留できる期間は最長9時間(取り調べ用)+72時間と定められており、それを超えると予審判事の判断を経て少年院への移送か釈放かが決まる。

処罰より更生を――オランダ少年刑事法の哲学

最終的な処分を下すのは少年裁判所だが、その前に児童福祉評議会が本人の性格、学校生活、これまでの問題行動などを詳しく調査し、検察官と裁判官に勧告を行う。「まだ長い人生が残っている。最も適切な処分を見つけることが目標だ」と同評議会は説明する。処分の選択肢としては最長2年の少年拘禁のほか、少年向けTBS(強制的な精神医療処置)や行動矯正プログラムなどがある。ファン・ゴルクム氏は「複雑な事件であっても、その若者にとって何が最善かを考えるのがオランダ少年法の精神だ。処罰よりも支援に重きを置く設計になっている」と強調する。

在蘭日本人を含む多くの人にとって、13歳という年齢での逮捕と両親不在という事実は衝撃的に映るだろう。今後の裁判手続きを通じて、オランダ少年司法がこの前例のない状況にどう向き合うかが注目される。

情報源: NOS Algemeen

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース