虹の旗を掲げた11歳に脅迫状、ハーレムの通りが一丸となって連帯
「あの子には指一本触れさせない」――住民たちの静かな抵抗
ハーレム市内のオースターストラートで、虹色のLGBTIフラッグを自宅に飾った11歳の少年が脅迫状を受け取るという出来事が起きた。内容の詳細は明らかにされていないが、フラッグを掲げたことへの明確な嫌がらせだったとされる。少年とその家族が受けた衝撃は大きく、一時は旗を外すことも考えたという。
通りが「虹色」に染まった日
事態を知った近隣住民たちの反応は素早かった。「あの優しい子には手を出させない、この通りには手を出させない(Je komt niet aan die lieve jongen, je komt niet aan onze straat)」――住民たちはそう口々に語り、示し合わせるようにLGBTIフラッグを自分たちの玄関先や窓に掲げ始めた。やがてオースターストラートの通り全体が虹色で彩られ、少年への連帯を目に見える形で示した。個人への攻撃が、地域全体を一つにまとめる契機となった格好だ。
「普通のことをしただけ」という住民の声
参加した住民の多くは、自分たちの行動を特別なこととは捉えていない。子どもが理不尽な脅しにさらされたとき、隣人として当然のことをしたまでだ、というのが共通の認識だ。オランダではLGBTIの権利は法的に広く認められているものの、日常生活の場での嫌がらせや差別がゼロではない現実もある。今回の出来事は、社会的な受容と実際の生活空間との間にある溝を改めて浮き彫りにした。
在蘭日本人にとっての意味
オランダ在住の日本人にとっても、この出来事は他人事ではない。性的マイノリティであることを公にしている子どもや若者が、身近なコミュニティからどのように守られるかという問いは、どの国でも普遍的なテーマだ。今回のオースターストラートの住民たちが示したのは、制度や法律だけでは補いきれない部分を、近隣の人間関係と連帯感が埋められるという一つの答えでもある。小さな通りで起きた静かな抵抗は、オランダ国内で広く報じられ、多くの共感を呼んでいる。
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