悪天候でシフトをキャンセルされても賃金は支払われるべき――オランダの呼び出し型労働者の権利
ゼロ時間契約の「紙の上の権利」が現場で守られない現実
オランダの飲食業界では、多くのスタッフが「ゼロ時間契約(nulurencontract)」のもとで働いている。この契約形態は、雇用主が必要なときだけ労働者を呼び出せる柔軟な仕組みだが、その一方で労働者の権利が軽視されがちな温床にもなっている。ADの報道によると、書面上は権利が整備されているにもかかわらず、実際には賃金が支払われないケースが後を絶たないという。
悪天候でもシフトキャンセルは「雇用主の都合」
ゼロ時間契約の労働者(oproepkracht=呼び出し型労働者)が直面しやすいトラブルのひとつが、突然のシフトキャンセルだ。雪や嵐などの悪天候で客足が見込めないとき、雇用主が「今日は来なくていい」と連絡してくることがある。しかし、一度確定したシフトをキャンセルする場合、法律上は雇用主に賃金を支払う義務がある。これはオランダ民法の「リスク負担の原則」に基づくものであり、仕事がなくなった理由が労働者側にない場合、その経済的損失は雇用主が負うべきとされている。
「知らなかった」が生む権利の空白
問題の本質は、多くの労働者が自分の権利を十分に理解していない点にある。特に若年層や移民労働者、語学的なハンディキャップを抱える人々は、雇用主から不当な扱いを受けても声を上げにくい状況に置かれている。呼び出し型労働者には、シフト確定後に4日以上前にキャンセルされなかった場合、賃金請求権が発生するというルールも存在する。これを知っているかどうかで、実際に受け取れる報酬が大きく変わってくる。
在蘭日本人にとっての実務的な意味
オランダに住む日本人の中にも、語学学校の学生やワーキングホリデーで来た若者を中心に、飲食店やイベント会場などでゼロ時間契約を結んで働いている人は少なくない。シフトをキャンセルされた際に「仕方ない」と泣き寝入りするケースもあり得るが、法的には泣き寝入りする必要はない。不当な扱いを受けた場合は、まずFNV(オランダ最大の労働組合連合)や労働監督機関(Nederlandse Arbeidsinspectie)に相談することが一つの選択肢だ。自分の契約内容と法的権利を事前に把握しておくことが、トラブルを防ぐ最善策といえるだろう。
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情報源: AD



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