オランダ住宅市場の最新動向:価格・基礎評価・事前審査を読む
上昇鈍化の兆しと新制度、在蘭エクスパットが知っておくべきこと
オランダの住宅市場は依然として高い関心を集めているが、価格の上昇ペースには明確な変化が現れ始めている。国家統計局CBSと不動産仲介業者協会NVMの最新報告はいずれも、月次ベースでの価格安定化を示唆している。地域ごとの差は大きいものの、賃貸物件オーナーが家賃上限規制や増税を背景に小規模物件を売却する動きが続き、市場への供給量も増加している。
住宅ローン金利は、世界的な金融市場の混乱を受けて小幅な変動が続いているが、過去30年のスパンで見れば依然として低水準にある。住宅ローン仲介会社Expat MortgagesのRichardo Cruz Fortesは、「オランダの金利は他国と比較すると魅力的かつ安定的と評価する国際的な購入希望者が多い。その視点を持つことが重要だ」と述べる。
2025年4月から義務化された「基礎評価」とは
購入者が注意すべき新たな制度が、2025年4月1日から施行されている。住宅購入時に必要な不動産評価報告書に、建物基礎のコンディション評価(A〜Eの5段階)が義務付けられた。この報告書は独立した評価専門家が作成し、費用は購入者が負担する。住宅ローンの審査に不可欠な書類であり、D・E評価の物件は追加調査が完了するまでローン審査が進められない。
報告書は売買契約合意後に初めて作成されるため、購入者は契約前に基礎の状態を把握できないという構造的な課題がある。Cruz Fortesは「聞こえは不安かもしれないが、実態は透明性の確保が目的だ。購入者・評価業者・銀行が建物の長期的な状態と将来の維持リスクをより正確に把握したいという意図がある」と説明し、内覧時に仲介業者へ基礎に関する詳細な質問をするよう勧めている。なお、仲介業者が質問に対して虚偽の情報を提供することは法律で禁じられている。
「スピードより戦略」――事前審査が広がる背景
もうひとつの注目トレンドが、住宅ローンの事前審査(プレアプルーバル)の活用だ。オランダには公式な事前審査制度は存在しないが、Expat Mortgagesでは詳細な財務分析を通じて借入可能額を事前に把握するプロセスを提供しており、最終的なローン手続きを2〜4週間で完了できるケースもあるという。
事前審査を経て入札に臨むことで、過剰な入札を防ぎ、物件の評価額が合意価格を下回るという「サプライズ」リスクも軽減される。Cruz Fortesは「今の市場で最も強い買い手は、必ずしも最高額を提示する人ではなく、意思決定の前に自分の財務状況を完全に把握している人だ」と語る。「住宅購入はもはやスピードだけの問題ではない。戦略と準備、そして何年後も納得できる持続可能な選択が求められる」。
在蘭日本人を含むエクスパット層にとって、制度・言語・慣習の違いは住宅購入を複雑にする要因となりやすい。基礎評価の義務化や事前審査の活用といった最新動向を把握し、信頼できる専門家と連携しながら準備を進めることが、競争の激しい市場で確実な一手を打つ近道といえる。
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情報源: DutchNews



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