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市街地の緑不足が招く熱波リスク——80万人超が脆弱な環境に
社会 読了 2分

市街地の緑不足が招く熱波リスク——80万人超が脆弱な環境に

市民団体連合がマニフェストを発表、2035年までの優先整備と法制化を政府に要求

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オランダで、緑地が極端に少ない高密度市街地に暮らす住民が80万人を超えることが、改めて浮き彫りになった。こうした地区は「石化した街区(versteende buurten)」とも呼ばれ、コンクリートやアスファルトが占める割合が高く、夏の熱波への脆弱性が際立って高い。Natuur & Milieu、住宅協会連合Aedes、入居者団体Woonbond、ANWB、FNVなど幅広い分野の団体が連合を組み、アムステルダム応用科学大学の熱波シンポジウムに合わせて、マニフェスト「Groene ruimte, koele steden(緑の空間、涼しい都市)」を発表した。

都市が抱える”温度格差”の現実

問題の深刻さは数字に表れている。生活環境アトラス(Atlas voor de Leefomgeving)のデータによると、都市の中心部では周辺農村部に比べて最大8℃気温が高くなるケースがある。さらに猛暑日には街路の体感気温が45℃に達することもあり、日陰や大木、アクセスしやすい緑地が少ない地区の住民は、紫外線や熱へのさらされ方が格段に大きい。

健康への影響も無視できない水準に達している。国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の推計では、熱ストレスが原因の超過死亡は現在年間約250人。しかし追加対策が講じられなければ、2050年には年間約3800人にまで増加するとされる。「緑は贅沢品ではなく、健康で住みやすい街の基礎条件だ」とNatuur & MilieuのRob van Tilburgは述べており、連合は緑化を都市政策の優先課題として位置づけるよう求めている。

連合が政府に求める三つの柱

今回のマニフェストで連合が訴える要求は大きく三点にまとめられる。第一に、公共緑地と樹冠被覆率(boomkroonbedekking)――葉や枝が地面を覆う面積の割合――について、全国一律の最低基準を法律で定めること。第二に、自治体が街路・広場・住宅街の緑化を進められるよう、国が財政的に支援すること。そして第三に、最も緑地が不足する地区を2035年までに優先整備するアクションプランを策定することだ。

連合は同時に、住民が支持を表明できるオンライン署名活動も開始した。地方自治体だけでは財源も権限も限界があるとして、国レベルの制度設計と予算措置の必要性を強く訴えている。

オランダ在住者への影響

この問題はオランダに暮らす日本人にとっても身近な話題だ。アムステルダムやロッテルダム、デン・ハーグなど大都市の旧市街や高密度住宅地に居住している場合、熱波シーズンの体感気温や睡眠への影響は年々大きくなっている。政府が最低基準の法制化に踏み切れば、自治体レベルでの街路樹植栽や広場の緑化工事が今後加速する可能性がある。逆に対策が遅れれば、健康リスクのある高齢者や乳幼児を抱える家庭は、猛暑期の避暑場所や冷房設備への備えを個人レベルで強化しておく必要がある。今夏に向け、自分の住む地区の緑被率や近隣の涼しい公共空間を確認しておくことが、まず取れる現実的な一歩となるだろう。

情報源: NOS Algemeen

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