アムステルダムのアルティス水族館、5000万ユーロの修復を経て5年ぶりに再開館
テーマは「水―すべての命の源」。約250種の生物と、運河の水中世界を体感できる新展示も
アムステルダムのアルティス水族館が6月、約5年ぶりに扉を開いた。1882年の開館以来、世界最古級の水族館として知られるこの施設は、2021年にコロナ禍の最中に閉館。老朽化した建物の安全性が限界に達したことが理由だった。その後、100人を超える生物学者・学芸員・エンジニアが関わる総額5000万ユーロの大規模修復プロジェクトが進められ、今回の再オープンに至った。
140年の塩水が建物を蝕んだ
閉館の直接の原因は、塩水による建物の腐食だ。水族館は淡水と塩水の2系統の配管で運営されているが、140年以上にわたって塩分が水槽から滲み出し、壁・床・鉄骨構造の内部まで浸食し続けた。「中央部はすべて失われた状態で、地下から屋根まで見通せるほどだった」と、水族館長のアン・ファン・ダイクは語る。
修復では、塩水系統の水槽・地下カタコンベの濾過槽・屋根をすべて解体して再建した。新たな水槽には、水と触れると細菌がひびを自動修復する自己修復コンクリートが採用されている。一方で、英国の水族館学者ウィリアム・アルフォード・ロイドが設計したヴィクトリア朝時代のオリジナル濾過システムは保存され、アルティスによれば現在も稼働するものとしては世界で最後の一基だという。建物の約90%が見学可能となり、そのシステムが収まるカタコンベも公開されている。
「水は鏡のようなもの」——新展示が問いかけること
リニューアルのテーマは「水―すべての命の源」。展示ではカミソリウオやコバンザメ科のショートテールナースシャーク、絶滅危惧種のヨーロッパウナギなど約250種の生物が公開されている。アマゾンの河川をテーマにした「川のリズムに生きる命」ギャラリーでは、ヤドクガエルやブラジルレインボーボアも見ることができる。
注目の新展示の一つが「運河ギャラリー」だ。アムステルダムの運河(グラハテン)の水面下の生態系を再現したもので、ウナギ・カニ・藻類といった生き物が、自転車や廃棄物とともに存在する水中世界を可視化している。「水は鏡のようなもの。上から眺めるだけでは、何が住んでいるかほとんど見えない」とファン・ダイクは言う。マイクロプラスチックをテーマにしたギャラリーも今年後半にオープン予定だ。
アムステルダムに暮らす日本人にとっても、アルティスは身近なお出かけスポットのひとつ。水族館への入場は通常のアルティス・パーク共通チケットで可能で、大人29.50ユーロ〜、3〜12歳は25.50ユーロ、2歳以下は無料。毎日9時から18時まで開館している。自然や環境問題を子どもと一緒に体感できる場として、改めて訪れる価値がある。
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情報源: DutchNews



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