自転車道に初の時速20km制限——フーテンで始まった「罰則なし」実験
取り締まりなき速度規制は行動変容を生むか
オランダで自転車専用道路に初めて速度制限が設けられた。ユトレヒト近郊の通勤都市フーテンにある「フォッセ・イベリカ」と呼ばれる細い道に、今週、時速20kmの制限標識とカメラが設置された。ただし、これはあくまでも実験であり、今のところ違反しても罰金は科されない。自転車大国オランダでも前例のない取り組みとして、国内外から注目を集めている。
ファットバイク急増が招く混雑と危険
フォッセ・イベリカは駅と学校を結ぶ通勤・通学の要所で、運河を渡る構造上、二輪車のみが通行できる。ラッシュ時には1,000台を超える自転車やスクーターが集中し、もともと幅の狭いルートにかかる負荷は年々増している。近年のファットバイクや貨物自転車(カーゴバイク)の急増が、速度差や車幅の拡大をもたらし、混雑と接触リスクをいっそう深刻化させた。こうした背景から地元当局は、何らかの対策を打つ必要があると判断した。
「標識だけ」では意味がないという批判
速度制限の導入に対し、自転車利用者の権利を代表する組合「フィーツァースボンド」は懐疑的な姿勢を示している。同組合の広報担当ケース・バッカー氏は公式サイト上で「問題は道が混みすぎていること、そして多くの自転車道が現代の利用実態に対して狭すぎることだ」と指摘。「時速20km制限を設けたとしても、15kmで走るサイクリストを追い越す必要は変わらない。速度上限は何の解決にもならない」と述べ、インフラそのものの改善を優先すべきとの立場を示した。
一方でカレマンス・インフラ大臣は実験の意義を擁護している。「最重要の目標は人々の行動をどう変えるか、そして交通安全への効果を把握することだ。調べられることは多い」と語り、データ収集と検証を通じた政策立案につなげる姿勢を強調した。設置されたカメラは監視目的には機能するが、自転車にはナンバープレートがないため取り締まりには使えないという根本的な制約がある。
在蘭日本人にとっての視点
日常的に自転車を利用する在蘭日本人にとっても、この実験は他人事ではない。ファットバイクや電動自転車の普及は全国的な傾向であり、フーテンと同様の混雑は各地の通勤路でも起きている。今回の実験の結果次第では、将来的に速度制限や何らかの規制が全国の自転車道に広がる可能性もある。罰則なき「お願いベース」の制限がどこまで行動変容をもたらすか——その答えは、これからのデータが示すことになる。
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情報源: DutchNews



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