あなたはどの「外国人」? オランダの呼称を徹底解説
エクスパットから庇護移民まで、公式・非公式のカテゴリーとその社会的ニュアンス
オランダに住んでいると、自分が何者として見られているのかを意識する場面は少なくない。「エクスパット?」「移民?」——曖昧に笑って済ませてきた方も多いだろうが、実はオランダ社会には外国人を指す公式・非公式の呼称が驚くほど多く存在する。DutchNewsが連載する市民統合講座「Inburgering with DN」の最新回は、そのカテゴリーをユーモアたっぷりに整理している。自分の立ち位置を知ることは、この国をより深く理解する第一歩だ。
「エクスパット」から「lovepat」まで——非公式の呼び名たち
まず誰もが一度は使う「エクスパット(expat)」。記事の定義によれば、「家を借りたり買ったり、友人と外国語で話したり、自転車で規則を守ったりして、オランダ人を苛立たせた外国人」のことだという。アムステルダム市長は「エクスパットは泡の中に住んでいる」と評し、家賃高騰の元凶と見なす住宅運動家も多い。ただし、記事は「エクスパットは必ずしも白人でなくてもよいが、そのほうが都合がよい」と皮肉を込めて指摘する。
これに対し、「インターナショナル(international)」は、数年で去るエクスパットとは違いオランダに根を張った外国人が好んで使う「中身のない言葉」とされる。また、オランダ人と結婚するために来た外国人は「lovepat」と呼ばれ、マクシマ王妃がその典型例として挙げられている。
公式用語の世界では、非EU・EFTA圏から高度なスキルを持って渡航した人を指す「kennismigrant(知識移民)」、と農場やと畜場などで働く労働者を指す「arbeidsmigrant(労働移民)」が使い分けられている。後者は劣悪な住環境と社会保障詐欺の疑惑にさらされやすいとされ、その多くがEU市民であるにもかかわらず、政府の対応は「懸念表明のみで行動なし」と記事は手厳しい。
統計の「西洋系」に日本人が含まれるワケ
オランダの国家統計局(CBS)が用いる「西洋系/非西洋系」という分類は、一見して地理的なものに見えるが、実態はそれほど単純ではない。非西洋系とはアフリカ、南米、アジア(インドネシアと日本を除く)、トルコ出身者を指す。
ここで注目すべきは、日本人とインドネシア人は「西洋系」に分類されるという点だ。CBSによれば、その理由は「社会経済的・文化的地位」にあるという。地理的な東西ではなく、社会的な位置づけによって線引きがなされているわけで、この分類が単純な「出身地」の話ではないことがわかる。
かつて広く使われた「allochtoon(外来者)」という語は、1971年に社会学者ヒルデ・フェルウェイ=ヨンケルが導入した中立的な呼称だったが、三世代・四世代の移民にまで適用されるようになって批判が高まり、2016年に公式廃止された。その定義に従えば、ヴィレム=アレクサンダー国王(祖先の75%がドイツ系)は「西洋系allochtoon」、マクシマ王妃(アルゼンチン出身)と3人の王女は「非西洋系allochtonen」ということになる。
在蘭日本人にとっての意味
日本人にとって最も関係が深いのは、やはりkennismigrantの資格と「30%ルーリング(免税優遇制度)」だろう。この制度は、雇用主が給与の30%を最長5年間、非課税で支給できる仕組みで、高騰する家賃や国際学校の学費を補填することを名目としている。「税逃れ」と批判されることもあるが、受給には様々な条件があり、恩恵を受けられる人は限られる。さらに受給者の約5%は帰国したオランダ人自身だという。
呼称の問題は単なるラベル貼りではない。どの言葉が使われるかによって、社会保障へのアクセス、周囲からの視線、さらには政策論争での扱われ方まで変わってくる。自分がどのカテゴリーに属し、オランダ社会からどう見られているかを知ることは、この国で長く暮らすうえで決して無駄な知識ではない。
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情報源: DutchNews



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