小児肥満の胃縮小手術、基本保険パッケージに即日追加――最終手段として13〜18歳が対象
年間10〜20人を想定、厳格な条件のもとで補償開始
オランダの医療評価機関「Zorginstituut Nederland」は、重度または超重度の肥満を抱える13〜18歳の青少年を対象に、胃縮小手術(maagverkleining)を基本保険パッケージ(basispakket)の補償対象とすることを決定し、即日適用とした。ただし、この手術はあくまでも「最終手段(laatste redmiddel)」と位置づけられており、適用には厳格な条件が設けられている。
対象となる条件と想定規模
補償を受けられるのは、成長がほぼ完了した13〜18歳で、すでに生活習慣・食習慣の改善を目的とした集中プログラムを経ていることが前提となる。Zorginstituutは、年間の対象者は約10〜20人になると見込んでいる。現在オランダ国内で重度または超重度の肥満とされる青少年は500〜800人とされており、そのうちの一部に限られた対応となる。手術後の長期追跡調査では、心臓・血管疾患や2型糖尿病といった身体的なリスクの低減に加え、社会的な孤立からの脱却や自己肯定感の向上、同世代との交流回復といった精神面での改善も報告されている。関与した医師の一人は「手術後、子どもたちが再び動き出し、同世代と交わるようになる姿を目の当たりにした」と述べており、身体的な治療効果にとどまらない変化が注目されている。
深刻化する青少年の肥満問題
今回の決定の背景には、オランダにおける青少年肥満の長期的な悪化傾向がある。12〜17歳の肥満率は1990年の1.4%から2024年には4.1%へと増加しており、約30年で3倍近くに達した。昨年末には小児科医らがこの現状に警鐘を鳴らし、肥満外来の待機リストが倍増し、肥満治療のための投薬使用が5倍に増加していると発表していた。このような状況を踏まえ、Zorginstituutは複数の長期研究の結果をもとに、今回の補償追加を判断した。なお、オランダ初の未成年への胃縮小手術を受けたLauraさんは、2025年1月のNieuwsuurの取材に対し、手術から2年間で50キロの減量に成功したと明かしている。
在蘭日本人家庭にとっての意味
今回の措置は対象者数が限られるものの、オランダの公的医療保険が小児の肥満治療に本格的に踏み込んだという点で意義深い。日本でも子どもの肥満が社会課題となっているが、外科的介入を保険でカバーする動きはまだ限定的だ。オランダでは基本保険への加入が義務づけられており、在蘭日本人の子どもも対象となりうる。重度肥満に悩む子どもを持つ家庭にとっては、かかりつけ医(huisarts)や専門医への早めの相談が選択肢を広げる第一歩となるだろう。
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情報源: NOS Algemeen



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