オランダ人ウイルス学者、サル痘ウイルス密輸で米国起訴——デトロイト空港で虚偽申告も
コンゴ共和国からの帰国時に不活化ウイルスを隠匿、FBIが重大視
オランダ人ウイルス学者が、アフリカから不活化サル痘(mpox)ウイルスの入ったバイアルを持ち込み、空港での入国審査で虚偽の申告をしたとして、米国で起訴された。カメルーン国籍の同僚研究者も同様の容疑で訴追されており、米国の裁判所とFBIが一連の経緯を明らかにした。
デトロイト空港で「強く否定」——その後の調査で発覚
両者は今年1月、コンゴ共和国で9日間を過ごした後、パリ経由の便でデトロイト空港に到着した際に入国審査で制止された。FBIによると、オランダ人研究者は生物材料やサンプルを持ち帰っていることを「強く否定」したという。しかしその後の調査で、2人が不活化サル痘ウイルスの入った試験管を携行していたことが判明した。
不活化ウイルスとは、研究目的で増殖・感染能力を失わせた状態のものを指す。病気を引き起こす危険性はないとされるものの、米国の規制では国際的な輸送に際して厳格な申告と許可が求められる。司法文書には、なぜ両者が不活化ウイルスをラボへ持ち帰ろうとしたかの理由は記されていないが、FBIはこの2人がmpox研究に深く関与してきた専門家であると説明している。
「満員の民間機内での密輸」——検察が強調する危険性
起訴にあたって検察官は声明で強い言葉を使った。「彼らはコンゴ共和国のアウトブレイク地域から、乗客で混み合った民間機内でウイルス性病原体を密輸することで、わが国の法律を破った。その意味をよく考えてほしい」と述べ、感染拡大地域からの病原体輸送に対する法的・公衆衛生的リスクを強調した。
技術的には感染性を持たないとされる不活化ウイルスであっても、当局が「重大視」する背景には、申告なしの越境輸送が前例となりうること、そして生物材料の管理体制への信頼を損なうことへの懸念がある。
在蘭日本人にとっての意味
今回の事件は、国際的な感染症研究の場で活動する科学者にとっても、越境する生物材料に関するルール遵守の重要性を改めて示すものだ。オランダはmpox研究において国際的な拠点の一つであり、今回の被告も米国の研究機関に所属している。勤務先は「当局に全面協力する」と表明しているが、捜査継続中を理由にそれ以上のコメントは控えている。
渡航や研究活動で欧米を行き来する機会の多い在蘭日本人にとっても、生物材料や医薬品の国際持ち込みには各国の申告義務があることを、本件は端的に示している。今後の司法手続きの行方が注目される。
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情報源: NOS Algemeen



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