ザイスト難民施設での警官による暴力、妊婦が「質問しようとしただけ」と証言
SNSで拡散した映像が波紋、警察は調査開始を発表
約2週間前、ユトレヒト州ザイストにある難民申請者センター(AZC)の廊下で、妊娠中の女性が警官に腕をつかまれて引き倒される映像がSNSに拡散し、オランダ国内で強い批判を呼んだ。その当事者の女性が今回、カタールの報道機関アルジャジーラの取材に応じ、事件当時の状況を語った。女性はその後無事に出産しており、子どもの健康状態は良好だという。
「質問しようとしただけだった」
女性の説明によれば、夫が警官に連行されようとした際、妊娠が進んでいたため一人で残ることができず、同行できるかどうかを警官に確認しようとしたという。しかし質問への回答を得る前に、警官に腕をつかまれて引き倒され、地面に転倒したと語った。映像にはその様子のほか、転倒を目撃した夫が警官に向かって手を振り上げ、その後警官から殴打される場面も映っていた。
警察側の説明は異なる。警察の声明によると、現場では脅迫と器物損壊の通報があり、COA(中央難民機関)のスタッフが男性からパンナイフを取り上げていた。さらに別のナイフを所持している可能性が疑われたが、後にそれは確認されなかった。警察は「女性に対し、安全確保のため複数回その場を離れるよう求めた」と説明し、応じなかったため警官が腕をつかんで後方に移動させようとした際に転倒が起きたとしている。また、当該警官は女性が妊娠していることを認識しておらず、「把握していれば対応が異なっていた」と警察は述べた。
調査開始と警察へのバッシング
映像が広く拡散されたことで、警察はSNS上で激しい批判にさらされた。InstagramやFacebookに投稿された逮捕関連の投稿には脅迫や侮辱的なコメントが相次ぎ、警察の広報担当者は「批判や対話は重要だが、常識的な一線を大きく超えた」と述べた。
警察は今回の事案について正式な調査を行うことを発表し、「あらゆる事実と状況を精査する」としている。一方で「同僚たちのプロフェッショナリズムを信頼しており、彼らが日々高いプレッシャーの下で判断を下していることも認識している」とも付け加えた。
在蘭日本人にとっての視点
難民施設内での警察対応をめぐる今回の出来事は、オランダにおける移民・難民政策をめぐる議論の緊張感を改めて浮き彫りにした。映像一本がSNSを通じて社会的論争を引き起こし、当事者・警察双方の主張が真っ向から食い違う構図は、今後の調査結果が注目される。在蘭日本人にとっても、AZCや警察対応に関する社会的文脈を理解しておくことは、オランダ社会の現状を読み解く上で意味を持つだろう。
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情報源: NOS Algemeen



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