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フードバンク利用者が再び増加——豊かなオランダで貧困が静かに広がる
社会 読了 2分

フードバンク利用者が再び増加——豊かなオランダで貧困が静かに広がる

ZZPやAOW受給者ら「新たな貧困層」が目立つ、2025年の給付削減が追い打ちか

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オランダ全土のフードバンクを束ねる「フードバンク・ネーデルラント」が年次報告書を公表し、2024年の利用者数が約15万5,000人に達したことが明らかになった。前年と比べて約1万1,000人の増加で、ここ数年続いていた減少傾向から一転して再び上昇に転じた形だ。コロナ禍が残った2022年には利用者が約20万人に膨らんだ記録があり、現状はそれより低い水準ながら、回復していたはずの数値が再び悪化し始めたことに関係者は懸念を強めている。

5年ぶりに反転した貧困の実態

報告書は、利用者増の背景として国内の貧困拡大を挙げている。オランダでは過去5年間、貧困率は低下傾向にあったが、2024年はその流れが止まり、再び上昇に転じた。「働く貧困層」の増加も同様の軌跡をたどっており、社会の底流で静かに変化が起きていることを示している。フードバンク・ネーデルラントのヘンク・スタフハウワー代表は年次報告書の中で、「豊かな国オランダで貧困が拡大していることは憂慮すべきことだ。毎日、食べるお金がなくなった人々、子どもを空腹のまま学校に送り出す親、そして深い羞恥心を抱える人たちの話を聞いている」と記している。今回の利用者増には、フードバンク側が支援対象でありながらこれまで把握できていなかった人々を積極的に掘り起こした側面もあるという。

ZZPと年金生活者——「新たな貧困層」の輪郭

特に目立つのが、ZZP(個人事業主・フリーランス)とAOW(基礎年金)のみで生活する高齢者の増加だ。スタフハウワー代表は「2024年にはすでにこの層がフードバンクの利用者として現れていた」と説明する。安定した雇用に就かず社会保障の網の目からこぼれやすいZZPや、上乗せ年金(aanvullend pensioen)を持たない高齢者にとって、物価上昇はとりわけ深刻な打撃となった。こうした人々が一度フードバンクを頼ると、そのまま長期的な利用者になるケースも増えているという。さらに、2025年に政府が実施する給付削減措置が追い打ちをかけるとスタフハウワー代表は警告しており、今後も利用者数は増え続けると予測している。

食料確保にも課題——税関差し押さえ品の活用も視野に

フードバンクが抱えるもう一つの課題が、食料の供給だ。スーパーマーケット各社が食品ロス削減の取り組みを強化する中、フードバンクに回る食材は今後減少する可能性がある。需要が増える一方で供給が細るというジレンマに対応するため、同組織は拠点間での食料の効率的な分配体制の整備を進めている。また新たな取り組みとして、書類上の手続きに問題があり税関に差し押さえられた食品——品質自体には問題のないもの——を入手するプログラムも始動させた。在蘭日本人にとっても、フードバンクの存在は決して遠い話ではない。生活に困窮した際の相談窓口や支援制度を事前に把握しておくことは、万が一の備えとして意味を持つだろう。

情報源: NOS Algemeen

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