子どもの虐待を早期発見へ 欧州20か国で啓発キャンペーン始動
「家庭は安全であるべき」——失踪の前に気づくために
子どもが家を飛び出すとき、その背景にはたいてい長い苦しみの歴史がある——Amber Alert Europeのファウンダーでチェアのフランク・フーン氏は、放送局NOSのインタビューでそう語った。同ネットワークは5月25日の「国際行方不明児の日」に合わせ、「Home Should Be Safe(家庭は安全であるべき)」キャンペーンを欧州を中心に20か国・14言語で一斉に立ち上げた。
失踪の「前」に気づくために
キャンペーンが対象とするのは、日常的に子どもと接する大人たち——教師、スポーツコーチ、近隣住民、医療従事者などだ。注意すべき兆候として、①突然の行動変化、②説明のつかないけが、③常に周囲を警戒している様子、④帰宅を恐れる素振り、⑤感情を表現しにくくなること——の5点が挙げられている。フーン氏は「子どものあざが必ずしも虐待を意味するわけではない。しかし何かがおかしいと感じたら、その感覚を信じることが大切だ」と述べ、プロフェッショナルだけでなく周囲の一般の大人が気づく重要性を訴えた。参加国にはベルギー、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、米国なども名を連ねており、各国の警察・政府・児童保護機関が普及を後押しする。
オランダの現状——通報件数と「空白地帯」
オランダでは、家庭内暴力・児童虐待の相談・通報窓口である「Veilig Thuis」に、2025年の1年間で13万6,000件の通報が寄せられた。そのうち約半数が児童虐待に関するものだ。通報の9割は警察・医療従事者・教師などの専門職からで、残りは近隣住民や家族・友人が占める。
一方で、Veilig Thuisが問題視するのが特定職種からの「通報の空白」だ。今年2月、同機関は看護師や産後ケア従事者からの通報が昨年わずか350件にとどまったと警告した。同職種1,000人を対象にした調査では、4人に1人が虐待またはネグレクトの兆候を目にしたことがあると回答しており、実態との乖離は大きい。出産直後の家庭に定期的に関わる産後ケア従事者は、潜在的に重要な「気づきの窓口」となりうる存在だけに、通報を阻む心理的・制度的なハードルの解消が急務とされている。
在蘭の方が知っておきたいこと
子どもの安全について不安を感じた場合、オランダの相談窓口Veilig Thuisに電話番号0800-2000(無料・24時間対応)で連絡することができる。今回のキャンペーンは単なる意識啓発にとどまらず、「気になった段階で動く」という文化の醸成を目指している。子育て家庭の多い在蘭日本人コミュニティにおいても、近隣や学校で子どもの変化に気づいたとき、どこに相談すればよいかを知っておくことは無駄にはならない。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: DutchNews



/https://content.production.cdn.art19.com/images/c8/0d/d3/2a/c80dd32a-cdd0-4ac0-926c-6cf20d3f5a14/92419bbca54f79b205275f8406c01019e3992c550445433b216528be175d641cb71d24185c0a7433adae777e927c30531d58cb1af6f0ac1d444ab517564dba48.jpeg)
