ロシアのサイバー攻撃を支援か――オランダ人2人が制裁逃れで逮捕
800台超のサーバー押収、EU制裁企業の「隠れ蓑」として国内拠点を運営か
オランダ財政情報捜査局(FIOD)は、EU対ロシア制裁を回避してロシア系企業のサーバーをオランダ国内で運営した疑いで、オランダ人会社役員2人を逮捕した。逮捕されたのはアムステルダム在住の57歳と、ハーグ在住の39歳。FIODはエンスヘーデとアルメールの事業所3か所を家宅捜索し、ドロンテンとスキポール・レイクのデータセンターから800台以上のサーバーを押収した。
「侵攻2週間前」に設立された企業
捜査対象となったウェブホスティング企業は、2022年2月10日――ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始する2週間前に設立されていた。FIODによれば、この企業はEUへのサイバー攻撃・妨害工作・偽情報拡散といった「不安定化活動」に利用されてきたとされる。EUは2025年5月、ロシアのハイブリッド攻撃に関与する個人21人・企業6社を対象とした制裁パッケージの一環として、同社を制裁リストに追加した。
FIODは企業名を公表していないが、米サイバーセキュリティ企業Recorded Futureが2024年8月に公開したリサーチによれば、英国籍登録の「Stark Industries Solutions Ltd」とその後継とみられるオランダ法人「WorkTitans BV」の説明と一致するという。制裁リスト追加とほぼ同時期に、技術インフラの大半が新設のオランダ法人に移管されており、捜査当局はこれを「フロント企業(隠れ蓑)」と断定。57歳の男はその取締役かつ間接的な単独株主として登記されていた。39歳の男が経営する別のオランダ法人は、サーバーをオンライン状態に保つインターネット接続を提供する役割を担っていたとされる。捜査は検察庁の専門金融部門「Functioneel Parket」が主導している。
激化するロシアのハイブリッド戦略、国内への波及
今回の逮捕は、オランダ情報機関が相次いで発した警告とも重なる。国内外の情報機関であるAIVDとMIVDは今年2月に公表した共同報告書で、EU加盟国を標的にしたロシアのハイブリッド活動が激化していると警鐘を鳴らした。AIVD長官のシモーネ・スミット氏は先月、「第二次世界大戦後の創設以来、これほど広範な安全保障上の脅威に直面したことはない」と述べ、危機感をあらわにした。
制裁違反への対応という観点でも、本件は注目に値する。FIODはすでに、全面侵攻開始以降に100社以上のオランダ企業が対ロシア制裁違反で罰金または訴追を受けたと明らかにしている。制裁法(Sanctiewet)の最も重大なカテゴリに該当する違反には、最長6年の禁固刑が科される可能性がある。在蘭日本人ビジネス関係者にとっても、制裁対象企業との取引・インフラ提供が厳しく問われる環境が続いていることを、改めて認識しておく必要があるだろう。
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情報源: DutchNews



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