性風俗従事者の労働環境、政府の監督不足が報告書で指摘
4年間で444件の通報、3割超が業者による搾取——制度の形骸化が浮き彫りに
性風俗従事者を対象とした通報・相談窓口SMAP(Sekswerk Meld- en Adviespunt)を運営するSoa Aids Nederlandは、オランダ政府が性風俗従事者の労働環境への監視を著しく怠っているとする報告書を公表した。業者による権力の乱用が事実上「野放し」になっているとして、政府に対し実効的な監督体制の整備を求めている。
4年間で444件、3割が「搾取」に関する訴え
SMAPは2021年末に開設されて以来、4年間で計444件の通報を受け付けてきた。内容は警察や医療保険、銀行など各種機関からの差別・スティグマに関するものが中心だが、全体の31%が業者による搾取的行為に関するものだった。具体的には、罰金や解雇をちらつかせた脅迫、不当に高い手数料の要求、コンドームを使わない性行為の強制、リスクを伴う美容施術の強要などが報告されている。そのほかにも、不安全な就労環境、プライバシーの侵害、性的・身体的な権利侵害、許可証や銀行口座へのアクセス困難、「名ばかり個人事業主」問題なども多く寄せられている。
「オプティング・イン制度」の形骸化
問題の背景にあるのが、性風俗従事者向けの「オプティング・イン(opting-in)制度」の形骸化だ。この制度では、業者が性風俗従事者に代わって税を納める一方、従事者は個人事業主としての権利——勤務日や時間の自己決定権など——を保持できるとされている。しかしSoa Aids NederlandのプロジェクトリーダーであるIris de Munnik氏は、「政府は制度の遵守状況をほとんど確認していない」と断言する。
近年、売春宿の数が減少し、許可を受けた就労場所が減り続けていることも問題に拍車をかけている。「許可を持つ業者に頼らざるを得ない状況になることで、交渉力が著しく低下する」とde Munnik氏は指摘する。また、エスコートや自宅での独立就労に対する規制が強まり、個人事業主として働く選択肢も狭まっているという。制度の「所有者」として責任を持ち、遵守を監督・執行する公的機関が存在しないことが、実質的な無法状態を生んでいると同氏は訴えている。
最低年齢引き上げ方針にも警鐘
内閣は先週、性風俗業への就労最低年齢を18歳から21歳へ引き上げる法制化を検討していることを明らかにした。これに対しde Munnik氏は「社会では18歳から成人として扱われる。国防省への就職だってできる。性風俗従事者にも同じ基準を適用すべきだ」と反論する。年齢制限の引き上げは若年層を合法的な保護の外へ追い出し、かえって危険な環境へ追い込むだけだと警告する。
水曜日にはオランダ下院で人身売買と売春に関する討論が予定されており、法務・安全保障省のVan Weel大臣はその結果を踏まえて対応する意向を示している。性風俗従事者の権利を「特別なもの」としてではなく、あらゆる労働者に認められる権利と同等に扱うべきだというSMAPの訴えが、議会でどう受け止められるか注目される。
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情報源: NOS Algemeen



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