PFAS深刻汚染、オランダで60か所超確認も「氷山の一角」
浄化費用は既に6800万ユーロ超、制度の壁が調査を阻む
オランダ国内で、PFASによる深刻な土壌・環境汚染の実態が次第に明らかになってきた。インフラ・水管理省が公表した報告書によると、各州・大都市が実施した調査の結果、現時点で57か所が「PFAS注意地点(aandachtslocaties)」に指定され、人体や環境へのリスクが極めて高いとして速やかな浄化が求められている。しかし報告書はこれを「氷山の一角」と位置づけており、今後数年で該当地点が大幅に増加するとの見通しを示している。
汚染源はカーペット工場から消防訓練場まで
現在、州・大都市レベルで把握されている「汚染が疑われる地点」はすでに約4000か所にのぼり、そのうち約600か所が詳細調査の対象として選定されている。汚染源として目立つのは、製造工程でPFASを使用していたカーペット産業や製紙・板紙工場などの(旧)工業用地だ。加えて、PFAS含有の消火泡剤が使用された消防・防衛省の訓練施設や、廃棄物処理場・リサイクル施設も調査の俎上に載っている。こうした地点のうち、飲料水源や住宅地に近接するなどリスクが特に高いと判断された場合のみ「注意地点」と認定され、優先的な浄化対象となる仕組みだ。57か所の多くは消火泡剤による汚染であり、4分の3以上はまだ浄化工事が始まっていない状態にある。
費用負担と制度の壁
問題をさらに複雑にしているのが、費用と制度の二重の壁だ。州の広域連携組織であるIPO(州間協議)によれば、現在進行中の浄化工事だけで少なくとも6800万ユーロの費用が発生しており、これは「最終的な総浄化コストのほんの一部に過ぎない」という。最終的なコストには浄化費用のみならず、水質浄化費用、医療費、さらには住宅建設プロジェクトの遅延に伴うコストも含まれると、IPOの広報担当者は指摘する。費用負担の原則は「汚染者・土地所有者が第一義的に責任を負う」とされているが、すでに操業を終えた企業が汚染源となるケースでは、最終的な負担先が不明確なまま宙に浮いているケースが多い。
もう一つの障壁が、企業が土壌調査への同意を拒否できる現行の法制度だ。多くの自治体がこの規定により調査を阻まれており、IPOは「この問題は解決されなければならない」と明言している。しかし同省は以前この問題を否定していた経緯があり、昨日の時点でも制度改正に向けた具体的な対応については明言を避けた。ベルトラム国務長官は、2028年までに要浄化地点の全体像を把握する方針を示しつつ、本格的な「計画的アプローチ」の開始は2030年以降になるとしている。
在蘭日本人への影響と今後の注目点
人員不足や専門知識の不足から、地方自治体は調査・浄化の両面で苦境に立たされており、問題の全容解明にはさらに長い年月を要する見込みだ。住宅地や飲料水源の近くに汚染地点が存在する可能性がある以上、生活環境への影響は在蘭日本人にとっても他人事ではない。自身の居住地域にPFAS注意地点が存在するかどうかは、各州・市区町村の行政窓口に問い合わせることで情報を得られる場合がある。今後、国が費用を補填するのか、汚染企業への責任追及が進むのか、そして制度改正がいつ実現するのか——これらの動向が、問題解決の速度を大きく左右することになる。
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情報源: NOS Algemeen



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