オランダ在住ウクライナ難民、43%が「帰国しない」——定住志向が年々強まる
WODC追跡調査が示す、変化する帰還意識と2027年の制度的転換点
オランダ在住のウクライナ難民の多くが、たとえ戦争が終わっても母国に戻るつもりはない——そんな実態が、オランダ司法省の研究機関WODC(科学研究・文書センター)が実施した大規模な追跡調査から明らかになった。調査は難民の来蘭後から継続的にパネルを追う形式で行われており、今回は2回目の調査結果として公表された。
「帰らない」が「帰る」の2倍以上
調査結果によると、ウクライナが再び安全になっても帰国しないと答えた難民は 43% に上り、帰国を明確に希望するのはわずか21%にとどまった。残る37%は「未定」と回答している。現在オランダには約13万4,000人のウクライナ難民が登録されており、その4分の3がオランダ国籍の取得を希望していると答えた。この割合は、同一パネルに対して2年前に同じ質問をした際の68%から上昇しており、定住志向の高まりが数字にも表れている。
定住意向は年齢と就労状況によって大きく異なる。17〜26歳の若年層では51%が帰国しないと回答したのに対し、67歳以上では17%にとどまった。また、オランダで就労している難民の47%が帰国を望まないのに比べ、無職の難民では35%と低かった。パートナーがオランダにいる場合も、ウクライナにいる場合に比べて定住志向が顕著に強かった。一方、帰国を希望する人が挙げる主な理由は、出身地域の治安状況、ウクライナへの郷愁、家族・友人の存在などだった。
2027年の「制度の壁」と募る不安
こうした定住志向の高まりは、オランダ政府の方針との齟齬を生んでいる。政府はこれまで自発的帰還の促進を長期政策の柱に据えてきたためだ。現在、在蘭ウクライナ難民全員にはEUの「一時的保護指令(Temporary Protection Directive)」が適用されており、住居・医療・子どもの教育・就労・就学の権利が保障されている。しかしこの指令は2027年3月5日に失効する予定だ。
オランダ政府は昨年11月、指令失効後の移行措置として3年間の経過的在留許可に切り替える計画を発表した。この段階からは、家賃や健康保険料を一般住民と同様に自己負担することになる。WODCの研究者たちは、半数以上の難民が今後の在留可否について「しばしば不安を感じている」と報告していることを指摘し、長期的な見通しに関する明確な情報提供が、オランダ語学習などへの投資判断にも影響すると述べている。
在蘭日本人にとっても、この問題は対岸の火事ではない。住宅市場や社会サービスへの需要、地域のコミュニティ構成など、日常生活に関わる社会環境が今後どう変化するかを左右する問題でもある。2027年という制度的転換点に向けて、オランダ社会全体として難民の長期統合をどう設計するかが、今まさに問われている。
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情報源: DutchNews



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