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ユーロビジョン第70回記念大会、緊張のなかウィーンで開幕——オランダは抗議でボイコット
社会 読了 3分

ユーロビジョン第70回記念大会、緊張のなかウィーンで開幕——オランダは抗議でボイコット

5カ国が不参加、EBUは史上最大の危機に直面

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ウィーンの市庁舎前にターコイズのカーペットが敷かれ、アーティストたちが華やかに登場した開幕セレモニー。しかしその表面的な祝祭感とは裏腹に、ユーロビジョン・ソングコンテスト第70回記念大会は、かつてないほどの政治的緊張のなかで幕を開けた。今年の開催地はオーストリアの首都ウィーン。35カ国が参加する一方で、オランダ、スペイン、アイルランド、スロベニア、アイスランドの5カ国が出場を辞退するという異例の事態となっている。

5カ国ボイコットの背景

出場辞退の直接的な理由は、イスラエルの参加への抗議だ。ガザでの戦争における人権侵害を問題視する声は2年以上にわたって高まり続けており、2024年のスウェーデン・マルメ大会では激しいデモが発生した。翌年のスイス・バーゼル大会では街頭での抗議は落ち着いたものの、議論は収まらなかった。主催のEBU(欧州放送連合)は「参加するのは国ではなく公共放送局であり、イスラエルの放送局KANは参加要件を満たしている」との立場を崩していないが、加盟局の離脱が相次ぐ事態はEBU史上最大の危機と呼ばれる。なかでも打撃が大きいのが「ビッグ5」の一角を占めるスペインの不参加だ。ビッグ5はイギリス、フランス、ドイツ、イタリアとともに大会の最大資金提供国であり、決勝への自動出場権を持つ特別枠。その欠席は単なる「空席」以上の意味を持つ。

一方、オランダの対応はやや複雑な構図を見せた。2010年から大会の国内窓口を担ってきたAvroTrosは昨年12月に出場辞退を決定したが、NOS(オランダ公共放送)とNTRが代わりに放送を継続することになった。ボイコットを宣言しながら中継は行うという形は、アイルランド・スペイン・スロベニアが放送自体も取りやめたこととは対照的だ。さらにAvroTrosの関係者がウィーンへ渡航することについて、紙媒体ヘット・パロールはAvroTros内部で「ボイコットの形骸化」として不満の声が上がっていると報じている。

強化された投票ルールと公式警告

今大会では、投票制度に大きな変更が加えられた。視聴者1人あたりの最大投票数がこれまでの20票から10票に引き下げられ、審査員による票も最終結果に反映される仕組みとなった。この変更は昨年大会の後、EBUが問題として認めた経緯を受けたものだ。昨年、イスラエル代表Yuval Raphaelの「New Day Will Rise」は圧倒的な票数でテレビ投票を制したが、イスラエル政府が費用を負担したSNS上の大規模な投票キャンペーンが行われていたことが後に判明。EBUのディレクターMartin Greenは「過去数年、十分に厳格ではなかったかもしれない」とニュースアワーのインタビューで認めている。

今年もすでにルール違反が発生した。イスラエル代表Noam Bettanの陣営が複数の言語で「持ち票をすべてイスラエルに使うよう」促す投稿を行い、KANはEBUから公式警告を受けた。ウィーン周辺では決勝に向けてドローン飛行禁止区域が設定され、警察の増員も発表された。具体的な脅威はないとされているが、大会会場の安全対策は例年以上に厳重だ。

在蘭日本人への影響と今大会の見どころ

オランダがボイコットしているとはいえ、NOS・NTRの中継はオランダ国内で視聴可能だ。コメンタリーはNOSのHenry SchutとラジオDJのJeroen Kijk in de Vegte が担当し、例年に近い形で楽しめる。ただし、今年はオランダの代表曲も代表アーティストもいない。「自国を応援する」という例年の醍醐味がない分、純粋に音楽と演出で楽しむ大会となりそうだ。

優勝候補として注目を集めているのが、フィンランドのデュオLinda Lampenius x Pete Parkkonen。EBUが通常禁止している生演奏を今大会で特別に許可するほど評価の高い演目で、ブックメーカーでも上位に位置する。デンマーク、フランス、ギリシャの代表も上位候補として挙げられており、多彩な顔ぶれが揃った。準決勝は13日と15日、決勝は17日(土)に行われる。

情報源: NRC

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