アルメール火災でオランダ各地にシステム障害——バックアップはなぜなかったのか
データセンター火災が問いかける、ITインフラの冗長性とコストの現実
木曜日の午前中、アルメールにあるNorthC社のデータセンターで火災が発生し、オランダ各地の企業・研究機関のITシステムに大規模な障害が生じた。影響を受けたのはユトレヒト大学、中央統計局(CBS)、フリースラント州ハーリンゲンのフェリー会社Doeksen、ユトレヒト市内バス会社Transdevなど多岐にわたる。消防当局は木曜から金曜日にかけての夜間に鎮火を確認し、地元住民にはNL-アラートで煙への注意が呼びかけられた。
火災はどこで、なぜ電源が落ちたのか
出火したのは、停電時にセンターの稼働を維持するための非常用発電機が置かれたエリアだった。消火活動を行うため、消防当局の指示によってデータセンター全体の電源が遮断され、各顧客のシステムが一斉に停止した。NorthC社のアレクサンドラ・シュレス代表取締役によれば、隣接するサーバールームへの損傷は煙害にとどまり、専門チームの調査では機器への実質的なダメージは「現時点では」確認されていないという。同社は金曜日午後の声明で、72時間以内に段階的な電力・冷却の供給再開を見込むと発表した。大口顧客であるUniserver社のイェルーン・ワウダ氏は、建物の防火区画設計によって機器は無傷であり、同社の顧客は今回の障害を「まったく感じなかった」と述べた。出火原因についてはまだ調査中で、警察は放火の可能性は低いとしながらも「現時点では推測の域を出ない」と慎重な姿勢を示している。
なぜバックアップがなかったのか
今回、最も広範な影響を受けたユトレヒト大学は、研究・教育・日常業務に「大きな打撃」があったと表明した。同大学の広報担当者は、大学のICT環境は「規模が大きく複雑」であり、バックアップや代替システムを安定稼働させるには「時間とコスト」がかかると説明した。こうした「万が一の事態に備えるコスト」と「リスクの頻度」をどう見積もるかは常に難しい判断であると同大学は認めており、バックアップ措置は存在するものの、その実装には時間がかかるとした。金曜日には「UUのシステムだけでなく、動作している場合もOutlook・Teams・Wordなどのマイクロソフト系サービスへのログインも控えるよう」との注意が大学サイトに掲載された。日曜正午に今後のキャンパスアクセスについての情報提供が予定されており、週明けに一部再開できる見通しがあるとしても、すべてのシステムの完全復旧にはさらに時間がかかる見込みだ。
影響はオランダ社会の広い範囲に
統計局CBSでは複数のITシステムへのアクセスが困難となった。同局の人口統計学者ルーベン・ファン・ハーレン氏は「厄介ではあるが、データそのものは失われていない。問題はデータへのアクセスやシステム間の連携部分にある」と述べた。ハーリンゲンのフェリー会社Doeksenは、フリースラント島(フリーラントとテルスヘリング)への乗下船に使うゲートシステムの障害が週末いっぱい続く見通しだと、地元紙レーワルダー・クーラントに明らかにした。またユトレヒト市内バスを運営するTransdevでも、ドライバーが使用する通信システムに障害が生じた。今回の火災は、デジタルインフラの集約化がいかに広範囲のリスクを生むかを改めて可視化した出来事でもあり、冗長性の確保とコストをめぐる議論を各組織に突きつけている。
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情報源: NRC



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