街中が“ごみ鉱山”に?ボトル返金制度が大都市に年間940万ユーロの損失
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デポジット制度が思わぬ負担
オランダでは、2021年からペットボトル、2023年からアルミ缶に一本あたり0.15ユーロのデポジット制度が導入されている。
この制度により、道路脇や自然エリアでのポイ捨ては大幅に減少したと評価される一方で、アムステルダム、ロッテルダム、ユトレヒト、デン・ハーグなど大都市のごみ問題が深刻化していると、IPR Normagの調査が指摘した。
ごみ箱が「金鉱」に変化
都市部では、デポジット付きの容器を探して公共のごみ箱をあさる人が増加。その結果、
・ごみ箱が壊される
・周辺にゴミが散乱する
・清掃員による収集作業の負担が増加する
といった副作用が生じ、都市の清掃コストが急増している。
「ゴミは減ったが街は汚れた」
オランダ全国で清掃活動を行う活動家Dirk Groot(通称Trashminator)氏は、制度の功罪を「道路脇の缶やボトルは8割減った。だが、都市部の公共交通周辺などでは、ごみ箱が“金鉱”化して問題が発生している」と語る。
特に観光客が多いアムステルダム・ノールトのメトロ駅周辺などで、破損・溢れたごみ箱が日常化しているという。
制度の未整備も問題
問題の背景には、以下のような制度運用上の欠陥もある:
・鉄道駅などに設置予定だった回収機が導入されていない
・ごみ箱に「返金対象」とのステッカーはあるが、「どこで返せるか」が表示されていない
・デポジット額が20年以上据え置き(大型ボトルは0.25ユーロで2002年から変更なし)
Groot氏は、「0.15ユーロのためにわざわざ出向く人は少ない。物価は上がっているのに制度は変わっていない」と、実効性の低さを批判する。
【補足】回収機は、容器を投入すると自動的に返金される機械で、ドイツなどでは駅やスーパーに広く普及。オランダでは駅や観光地に回収機がほとんどなく、返金の仕組みが不明瞭であることが制度の弱点となっている。
貧困層が清掃役を担っている現実
Groot氏は、デポジット容器を探してゴミ箱をあさる人々の多くが低所得層やホームレスであることに言及。「彼らは非公式ながら街をきれいにしている。だが、壊れたごみ箱が新たな公衆衛生の問題を生む」
また、テープで封じられたごみ箱でもネズミやカラスが入り込む状況も散見され、マグネット式の簡易ロック導入などの対策が提案されている。
集めた400億円はどこへ?
制度を運営する「Statiegeld Nederland」は、未返金のデポジットを約4億ユーロ(約690億円)保有しているとされる。
Groot氏は、「その一部を都市部用の頑丈で安全なごみ箱や回収機の整備に投資すべきだ」と強調し、広告やキャンペーンよりも現場への投資を優先すべきと訴える。
情報源: HARRO LIFE (legacy)


