アザラシ救護施設が50年の歴史に幕 最後の2頭を野生に帰す
📦 この記事は旧 HARRO LIFE(https://harrojp.com/articles/220425-1)からの移行アーカイブです。
アザラシ救護施設が幕を下ろす
1971年の設立以来、50年以上にわたって北オランダで弱ったアザラシを保護してきたピーテルブーレン(Pieterburen)のアザラシ救護施設が閉鎖された。閉鎖を記念して、最後の2頭「オリー」と「ブランディ」が野生に帰されたと、RTV NoordとNOSが報じた。
施設は1月から一般公開を終了しており、スタッフはラウワーズオーフ(Lauwersoog)に建設中の新施設への移転準備を進めていた。残る数頭のアザラシは、今週中に移送される予定。
地元住民にとって「思い出の場所」
日曜日にはピーテルブーレンの住民、寄付者、元スタッフらが集まり、別れを惜しむセレモニーが開かれた。
地元住民Agnes Klontさん(1971年生)
「救護所と私は同い年。これがあるのが当たり前だった。夜遊びの合間にアザラシに餌をあげたり、有名人が来たり、村に活気を与えてくれた場所だった」
地元農家のHenk Kosterさん
「創設者のLenie ’t Hartが、アザラシの子を育てるためにうちに物資を求めて来ていたのを覚えている。村にとってもアザラシにとっても成功だった。できればここに残ってほしかった」
オリーとブランディの物語
オリー
シュールモニコーグ島(Schiermonnikoog)で発見された10日齢の赤ちゃんアザラシ。背中に膿瘍があった
ブランディ
テルスヘリング島(Terschelling)で救出。ヒレに深い傷を負っていた
数週間にわたる治療とリハビリを経て、両頭とも健康を回復し野生復帰が認められた。日曜日、スタッフは2頭を専用クレートに収容し、ボートでシュールモニコーグ沖の砂州へと運び、解放した。
最後の放流者と見届け人の想い
アザラシの放流役を務めたのは、フローニンゲン(Groningen)出身のIris Beekmanさん。「彼がクリスマスプレゼントでくれたんです。ずっとアザラシが大好きで、学校で発表もしていました。まさか最後の1頭を自分の手で放つことになるなんて、感無量です」
ドーテインヘム(Doetinchem)から訪れたSijla van Leeuwenさんは、40年間で25回目の放流見学。「毎回感動します。泳ぎ出す前に少し振り返って、時には戻ってきてから去っていく…その瞬間がいつも魔法のようです」
新拠点へ移る保護活動
実際には、ピーテルブーレンの施設には急遽保護された弱ったアザラシ10頭が残っており、今週中に新施設へ移送される予定。
スタッフのEmmy Venema氏は、「2か所でのケアは非現実的なので、全頭をまとめて移すことにした」と説明。
新施設は?
新しいアザラシセンターは「ワッデン海世界遺産センター(Werelderfgoedcentrum Waddenzee)」の一部として運営され、4月26日に開館予定。
専用のアザラシ用エレベーターなど最新設備を備えた治療施設で、教育展示も充実し、来訪者に環境保全の重要性を伝えることを目的とする。
スタッフのVenema氏は「ワッデン海は非常に繊細な環境。汚染や天然ガス採掘、自然への圧力がある今、この場所を通してその脆弱さを知ってもらいたい」と述べた。
情報源: HARRO LIFE (legacy)


