フォンデル教会火災で広がる極右の陰謀論―SNS上で偽情報が拡散中
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火災直後に広がった憶測と偽情報
2026年1月1日未明、アムステルダム市内の歴史的教会「フォンデル教会(Vondelkerk)」で発生した火災について、オランダ国内外の極右グループがSNS上で虚偽情報や陰謀論を急速に拡散していると、オランダ公共放送NOSが報じた。
投稿では、「ジハーディストによる犯行」「ムスリムのテロ」「左派エリートによる反キリスト教攻撃」などの主張が散見され、根拠のない情報が短時間で事実のように拡散された。
計画的な偽情報キャンペーンの疑い
調査を行った市民団体「Justice for Prosperity」の代表であり、元情報機関AIVD職員のイェレ・ポストマ氏(lle Postma)によると、こうした投稿は計画的な偽情報キャンペーンの一環だという。
**1月1日・2日だけで、X(旧Twitter)上の投稿の20%が「ムスリム関与説」**に言及
当初は「もしかして?」という問いかけだったが、1時間後には断定的な主張に変化
インフルエンサーが拡散を加速
火災発生当夜には、オランダの極右活動家エヴァ・フラールディンヘルブローク(Eva Vlaardingerbroek)やイギリスのトミー・ロビンソン(Tommy Robinson)が反応し、影響力のある投稿を通じて偽情報が急速に拡大。
ポストマ氏は「雪玉が雪崩になった瞬間だった」と述べている。
こうした投稿では、火災を「キリスト教徒に対する攻撃」と位置づけ、ムスリムや左派を「敵」として描いている。
ジハード主義と左派を結びつける初の事例
ポストマ氏は「右派の偽情報がこれほど明確にジハード主義と左派政治を結びつけたのはオランダでは初めて」とし、社会的分断を深めるリスクに警鐘を鳴らしている。
アムステルダム大学の政治コミュニケーション教授クラース・デ・フレーゼ(Claes de Vreese)氏も、「これは“レイジベイト(ragebait)”の典型例だ」と指摘。
匿名アカウントが地元の出来事に便乗して怒りや憎悪を収益や政治目的に変える手法が使われているという。
社会への実害
偽情報の影響はネットにとどまらず、若いムスリムがサッカー場で「お前らのせいだ」と言われるなど、日常生活にも波及している。さらには右派政党がその主張を取り込むようになっているとポストマ氏は分析している。
フォンデル教会の火災原因調査には数ヶ月かかる見通しで、その間に真相不明であることが陰謀論を助長する土壌になっている。仮に当局の結論が偽情報と異なる内容であっても、「隠蔽だ」と再び批判する流れが予想される。
言論の自由と民主主義の脆弱性
ポストマ氏は次のように強調する:
「偽情報には“発信する動機”がある限り、規制しても止まらない」
「表現の自由だという声もあるが、実際には民主主義をむしばむ行為だ」
そのうえで、「民主主義を守るためには制度的・政治的な議論が必要だ」と呼びかけている。
情報源: HARRO LIFE (legacy)


