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「子どもを持たない選択」が過半数─若年層の価値観変化と人口減少の現実
社会

「子どもを持たない選択」が過半数─若年層の価値観変化と人口減少の現実

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子どもを望んでいない若者が半数

オランダの若年層において、「子どもを持たない」あるいは「持つかどうか決めていない」と考える人が過半数に達していることが、新たな調査で明らかになった。この傾向は出生率の低下と重なり、急速な人口高齢化による経済への影響が懸念されている。

RTLニュースパネルによる調査では、18歳から35歳の53%が子どもを望んでいない、または未定と回答した。オランダの出生率は2010年の女性1人あたり平均1.8人から、2024年には1.4人へと低下している。

子どもを持たない理由

回答者は、親になることを避ける理由として、個人的な価値観と現実的な問題の両方を挙げている。「そもそも子どもを望まない」という声に加え、「現在の生活スタイルや自由を維持したい」といった意見も多い。

さらに、経済的不安や住宅不足も大きな要因である。加えて、国際情勢の不安定さや気候変動、健康問題、安定したパートナーの不在など、将来への不安が意思決定に影響している。

経済への影響と懸念

経済学者ヨナ・ファン・ルーネン(Jona van Loenen)氏は、出生率の低下が続けば深刻な結果を招くと警告する。「このペースで減少が続けば、75年以内にオランダの人口は半減する可能性がある」と述べている。

この傾向は、特に医療、建設、技術分野での人手不足をさらに悪化させると予想される。加えて、退職者の増加速度が労働人口を上回ることで、社会保障への負担が増大する。かつては退職者1人に対し労働者7人だった比率が、将来的には2人まで低下する可能性があるという。

このバランスの崩れにより、介護需要は増加する一方で、それを担う労働力は減少する「二重の圧力」が経済にかかると指摘されている。

人口減少をめぐる見方の違い

一方で、経済学者ヤン=ピーター・ペイス(Jan-Pieter Peijs)氏は人口減少に一定の利点があると主張する。「むしろ恩恵とも言える」とし、世界人口が今後110億人規模に増加すると予測される中、人口減少は住宅やインフラ、環境への負荷軽減につながると述べた。

ファン・ルーネン氏もこうした利点を認めつつ、問題は減少の「スピード」にあると強調する。「減少そのものよりも、その速さに社会が対応できないことが問題だ」と述べている。両者とも、移民が労働力不足の緩和策となり得る点では一致している。

「子どもを持たない人生」

30歳のアンネマリー・ニーウェンハイゼン(Annemarie Nieuwenhuizen)氏は、かつては子どもを持つと考えていたが、現在は長期的な避妊を選択している。良好なパートナー関係にあるものの、「子どもが自分たちの幸福をさらに高めるか」を考えた結果、答えは否であったという。

また、「自分の子どもがどのような生活の質を持つのか」「どのような世界に新しい命を送り出すのか」といった疑問を抱き、気候危機など社会全体への不安も決断に影響したと語る。

29歳のサンドラ・ウルイェ(Sandra Uljee)氏も意図的に子どもを持たない選択をした一人である。育児に伴う負担が大きすぎると感じており、「時間、お金、エネルギー、睡眠のすべてが減る」と指摘する。彼女はロングCOVIDを抱えており、限られた体力では仕事や趣味と育児を両立できないと判断した。「良い母親にはなれるかもしれないが、幸せな母親にはなれない」と述べている。

参考

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