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オランダ政府、「自国優先」の開発援助方針へ 転換の影響とは
政治・行政

オランダ政府、「自国優先」の開発援助方針へ 転換の影響とは

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新たな開発援助方針とは

オランダ政府は、開発援助(ODA)を「オランダ第一(Netherlands first)」の方針に転換すると発表した。これは、極右政党PVV(自由党)出身のReinette Klever外貿・開発援助相が、チュニジア訪問中に明らかにしたものだ。この方針転換により、オランダの開発援助は「オランダ自身の利益に直結するもの」に限られることになる。RTLニュースによると、ジェンダー平等、教育、気候対策などの分野は大幅に削減される見込みだ。

Klever氏は「支援を必要としている国や人々を助けるだけでなく、同時に自国にも投資する」と述べ、外貿重視の姿勢を強調。今回のチュニジア訪問でも、オリーブ農園やトマト栽培業者の視察を行い、農業分野での貿易協力に関心を示した。

影響を受ける分野は?

Schoof内閣(Schoof I)では、来年の開発援助予算を5億ユーロ(約800億円)削減し、その後毎年24億ユーロ(約3,800億円)削減する計画を掲げている。Schoof氏は、今後5年間でNGO向け援助を年間2億ユーロ(約320億円)削減する方針を既に発表している。

特に大きな影響を受けるのは、以下の分野だ。

・ジェンダー平等・女性の権利
→ 今後は保健・貿易分野での支援に限定

・教育・スポーツ・文化開発
→ 予算削減対象

・気候変動対策
→ パリ協定の義務を果たす範囲内にとどめ、それ以上の支援は行わない

また、国際機関への拠出も縮小する。国連児童基金(UNICEF)や国連開発計画(UNDP)へのオランダの拠出額は、現在の半分に削減される予定だ。

オランダ企業主導のプロジェクトに重点

新方針では、オランダの企業や専門家が関与するプロジェクトに開発援助を集中させる。特に、以下の分野での支援が優先される。

・食料安全保障
・水管理
・医療・健康

Klever氏は「オランダが得意とする分野に注力することで、より効率的な資金の使い方ができる」と主張している。

移民対策支援、チュニジアに追加援助

オランダ政府は、開発援助を「移民対策に協力的な国」に優先的に提供するとしている。Klever氏は、2023年にEUとチュニジアが締結した移民対策協定に言及し、「この協定後、チュニジアからの亡命希望者は大幅に減少している」と評価。チュニジアに対し、新たに4.8百万ユーロ(約7.6億円)を沿岸警備の強化支援として提供すると約束した。また、「チュニジアは今後もオランダの開発援助を受けられる」と述べ、移民対策を進める国への支援を継続する考えを示している。

「Win-Winの関係」と強調

Klever氏は、「この新しい開発援助方針は、オランダと受益国双方にとってWin-Winの関係になる」「支援国は開発援助を受けるが、それを実施するのはオランダ企業。つまり、オランダ国内にも雇用と収益が生まれる」と述べた。一方で、現在支援中のプロジェクトについては、「突然打ち切るのではなく、適切な撤退戦略を持って責任を持って移行する」と説明している。

極右政治家として知られるKlever氏は、過去には議員として「開発援助の全面廃止」を主張していた経歴を持つ。今回の政策はその考えを反映した形だが、急激な変化を避ける意向も示している。

参考

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