アムステルダムのナショナル・ホロコースト博物館、2025年建築大賞に
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建築によって語る戦争の記憶
2025年のオランダ建築家協会(BNA)による建築賞で、アムステルダムにあるナショナル・ホロコースト博物館が最優秀建築賞を受賞した。審査員団は満場一致でこの決定を下し、建築設計を手がけたOffice Winhovの空間構成力を高く評価した。
審査員団は次のようにコメントしている。「この博物館は第二次世界大戦の物語を語るための空間を創出している。現在の世界情勢に照らし合わせても、このような歴史認識の重要性と対話の必要性は再確認されるべきだ」。
歴史的建築の調和と新築の融合
Office Winhovは、かつての劇場、旧校舎、そして新たなエントランス棟を一体化させ、戦争の記憶を伝える「博物館体験」を構築。特に劇場部分には最小限の変更にとどめる一方で、象徴的な新築の入り口を加えた判断が「勇気ある選択」として賞賛された。
プロジェクト全体については、「都市修復・新築・展示・物語の複合的な統合であり、街並みとの関係も丁寧に築かれている」と評価。建材や光の使い方、展示との連携、職人技、建築・展示間の協業の質などが特に秀でているという。
観客賞:廃材を活用した公共建築
BNAでは一般投票による観客賞も設けられており、2025年はカトウェイク(Katwijk)にあるKantoor vol Afval(廃材だらけのオフィス)が選ばれた。このプロジェクトは国有不動産機構の委託で、建築事務所Popma ter Steegeが担当。
建物は元・空軍基地跡地「ヴァルケンブルフ(Valkenburg)飛行場」にあり、将来的に住宅地へと転換される予定。それまでの期間は、既存の軍用建物を実験的な循環型リノベーション手法で保守し、貸し出している。使用された資材の多くは既存の建物からの再利用や中古品、生物由来素材であり、初期費用は通常の改装より10%高かったものの、資源の枯渇や環境要件の強化により、今後はコスト差が縮まると見られている。
審査員は「持続可能な公共建築のロールモデル」として高く評価。中には、ハーグの旧音楽院の吸音パネルなどの素材が再利用されており、「建物の物語性が豊かに加えられている」と述べた。
奨励賞:ハッテムでの住宅開発
若手建築家への奨励賞(Incentive Award)には、建築事務所Groothuijse de Boerによるハッテム(Hattem)での2棟の住宅開発が選ばれた。ショッピング通りの空き物件を活用し、住宅不足に対応する「社会的課題」に貢献する好例と評価された。
建物は歴史的街並みに調和しながらも、現代的な意匠を取り入れており、「ローカル性を尊重しつつ、街に新たな価値を加えている」と評価。審査員は「他の地方開発者・設計者にもこの手法を模範としてほしい」と述べた。
情報源: HARRO LIFE (legacy)


