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PSVスタジアムの汚染土問題、オランダ当局が調査開始
社会

PSVスタジアムの汚染土問題、オランダ当局が調査開始

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PSVスタジアムから汚染土壌が農地へ

オランダの環境当局は、PSVアイントホーフェンのスタジアム(フィリップス・スタディオン)で発生した汚染土が、不適切な管理のもとで農地に運ばれた問題を調査している。この土壌には、ハイブリッド芝(天然芝と合成繊維を組み合わせたもの)由来のマイクロプラスチックが大量に含まれていた。環境警察が行った調査によると、2023年7月にPSVのグラウンド改修で発生した1,500立方メートルの土壌が、約3,000キログラムの合成繊維を含んだ状態でヌーネン(Nuenen)の農地に運ばれた。この土地では家畜が放牧されており、近くにはドンメル川が流れている。この問題は、環境当局への通報によって発覚し、現在オランダ全土に広がる可能性がある汚染問題として調査が進められている。

監視体制の不備が浮き彫りに

オランダの環境警察が実施した全国調査(Eindhovens Dagblad紙による報道)では、過去数十年間にわたり、同様の汚染土壌が適切な監視なしに処理・再利用されていた可能性があることが判明した。特に、オランダ国内にはハイブリッド芝を採用したスポーツフィールドが60〜90カ所あると推定されているが、実際の数はさらに多い可能性が高い。

この問題が見過ごされてきた背景には、環境規制の曖昧さがある。オランダには28の環境機関が土壌管理を監督しているが、統括機関であるOmgevingsdienst NLは「この特定の廃棄物の流れを監視してこなかった」と認めている。オランダの法律では、掘削された土壌に「偶発的な異物の混入」は許容されるとされているが、その具体的な許容範囲は定められていない。環境機関は通常、25立方メートル以上の土壌を扱う掘削プロジェクトのみを検査するが、「汚染の疑いがない」とされた場合は詳細な検査が行われないケースもあった。

ハイブリッド芝と健康リスク

ハイブリッド芝は、天然芝に合成繊維を埋め込むことで耐久性を高めたスポーツフィールドであり、PSVアイントホーフェンだけでなく、アヤックス、AZアルクマール、FCユトレヒトなど、オランダの多くのプロサッカークラブが採用している。

しかし、

・ 合成繊維が時間とともに劣化して微細なプラスチック片(マイクロプラスチック)となる
・フィールドの改修時に、土壌から合成繊維を完全に分離することが困難
・適切な処理が行われないまま汚染土壌が再利用されるリスクがある

といった問題が指摘されている。科学者たちは、マイクロプラスチックが食物や水を通じて人間の体内に入り、健康に悪影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らしている。

刑事責任の可能性も浮上

現在、オランダの検察当局(Dutch Public Prosecution Service)は、

・ヌーネンの農地の所有者(農家)
・汚染土を運搬した2つの建設会社(請負業者)
・土壌検査を担当したコンサルティング会社

に対し、違法行為の疑いがあるとして刑事訴追を検討している。当局は、関係者が高額な汚染土の処理コストを回避するために、違法な手段で汚染土を流通させた可能性があると見ている。Omgevingsdienst NLは、「調査結果をもとに、この問題への適切な対応策を提言する」としており、オランダ政府が今後どのような規制を強化するのかが注目される。

参考

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