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Almere市、モスクへの秘密調査でムスリムの基本的人権を侵害
政治・行政

Almere市、モスクへの秘密調査でムスリムの基本的人権を侵害

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Almereの秘密調査、人権侵害の指摘

オランダのAlmere市が数年前に行ったモスクへの秘密調査について、「ムスリム市民のプライバシーおよび信教の自由を侵害した」と、アムステルダム都市圏のオンブズマン(行政監察官)が報告書で指摘した。この調査は、過激化の懸念を理由に、私立探偵事務所がモスクに潜入し、信者の情報を収集するという手法で実施された。オンブズマンのムニシュ・ラムラル氏は、Almere市の対応について「ムスリム社会に対して非常に杜撰だった」と批判し、基本的人権に基づく政策運営を求めた。

2021年に開始された秘密調査

この調査は2021年、オランダ国内の約10の自治体(Almere市を含む)が、過激主義対策の一環として私立探偵事務所「NTA」にモスクの調査を依頼したことから始まる。この決定は、オランダ国家対テロ・治安調整官(NCTV)の助言に基づくものだった。しかし、2021年末にオランダの新聞「NRC」がこの調査手法を暴露。

・NTAは調査員をモスクに潜入させ、礼拝者の情報を極秘裏に収集していた
・対象者には何の通知もなく、プライバシー権の侵害が疑われた
・当時NCTVのトップで、現在オランダ首相のディック・スホーフ氏は、この問題を認識していたが何もしなかった

この報道を受けて大きな批判が巻き起こり、Almere市は調査を中止。その後、オンブズマンのラムラル氏が詳細な調査を実施した。

市のずさんな対応と住民の不信感

ラムラル氏の報告によると、

・Almere市はNTAの調査手法を事前に適切に検証せず、違法性の可能性を考慮しなかった。
・市議会にも事前に報告せず、結果のみを共有したため、議会が監視機能を果たせなかった。
・当時のAlmere市長**フランク・ウェールウィント氏(後に法務・治安大臣に就任)**の指導のもと行われた。

この事件により、Almere市とイスラム教コミュニティの信頼関係が大きく損なわれた。ラムラル氏は、「これまで自治体と協力して過激化対策を進めてきたモスク運営者たちが、市に対する信頼を完全に失ってしまった」と指摘した。

オンブズマンの提言と市の対応

ラムラル氏は、

・市の政策が人権基準と倫理に基づいているかを評価する仕組みを設けるべき
・ムスリム市民との信頼回復に向けた取り組みを進めるべき

と提言した。

これに対し、Almere市は声明を発表し、「当時は社会的責任を果たそうという誠実な意図があったが、今振り返ると適切な方法ではなかった」と釈明した。現在は「完全に異なるアプローチ」に切り替えたとしているが、具体的な内容については明らかにしていない。

参考

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