ブラントの負傷で見えたアヤックスの脆さ——AZ戦辛勝の舞台裏
エールディビジ最多チャンス創出のドイツ代表MF、前半35分に退場で攻撃が失速
今夏ボルシア・ドルトムントから加入したドイツ代表MFユリアン・ブラント(30)は、アムステルダムへ来て以来ほぼ毎週のようにそのセンスを光らせてきた。相手の守備網が狭まる最終局面でこそ本領を発揮するタイプで、8本に1本の割合でペナルティエリア内の味方へパスを通す。これはエールディビジの同ポジション平均の2倍以上にあたる数字だ。10試合でチャンス創出32回はリーグ全選手中トップであり、技術責任者ヨルディ・クライフが「インターナショナルな実力者」と評した通りの存在感を示してきた。
先制点を演出、しかし前半35分に暗雲
AZ戦もブラントらしい場面から動いた。相手MFウェスレイ・パタティの一瞬の迷いを見逃さず、ボールを引き出したブラントはドリブルで中央へ侵入。包囲されたタイミングで斜めにパスを送り込むと、ジョーシー・モキオ、アブデラ・ウアザネと渡って最後はトル・アロコダレがヘッドで決めた。教科書通りのコンビネーションだった。
しかし喜びも束の間、前半35分に低い位置でボールを受けたブラントが突然ピッチに倒れ込む。ハムストリングを押さえる姿にスタジアムに軽い動揺が広がった。主将のペール・クーペルミンスをはじめAZの中盤が徹底的なマンマーク作戦でブラントを封じようとしていたこの試合で、攻撃の設計者が前半のうちに退いたことは、アヤックスにとって大きな誤算となった。
後半の苦境と守備陣の踏ん張り
交代出場したイスラエル代表のオスカル・グルフは、チームメートを生かすというよりも自らゴールを狙う場面が目立った。パスミスが続き、攻撃がたびたび途切れる。ブラント離脱後のAZは中盤を高く押し上げ、アヤックスは自陣に押し込まれる時間が長くなった。監督のミシェル・サンチェスが4ミッドフィルダー制に切り替えるも、しばらくの間アヤックスは自陣から抜け出せない状況が続いた。
それでも決定的なピンチを最小限に抑えたのは守備陣の集中力だった。終盤にAZの交代選手マテオ・チャベスがメックス・メルディンクへ折り返す場面があったが、GKマルク・テア・シュテーゲンが正面でキャッチ。その直後に試合終了の笛が鳴り、スタジアムには安堵の空気が漂った。4年半ぶりのAZ撃破であり、過去9人の監督(暫定含む)が成し得なかった白星だという。
「欠けると穴が開く」——ブラントへの依存度という課題
リーグ2位を走るアヤックスにとって、この勝利は重要な勝ち点3だ。しかし試合が浮き彫りにしたのは、ブラント不在時の攻撃力の急落という構造的な弱点でもある。90分あたり約3回という彼のスルーパス数はリーグ上位2選手にしか及ばれていない水準で、その代役を務められる選手がいまのスカッドに見当たらないことは明らかだった。ハムストリングの負傷は程度によっては数週間単位の離脱につながりうる。今後の診断結果がアヤックスの残り日程を左右する最大の焦点となっている。
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情報源: NRC




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