ハーグ初マラソン開催、ランニング熱高まるオランダの「熱中症」リスク
約1万人が参加、赤十字は120人の救護員を配備して臨んだ
オランダ・ハーグで初めてとなるマラソン大会が開催され、約1万人のランナーがスタートラインに立った。参加規模はロッテルダム、アムステルダムに次ぐオランダ第3位となり、初開催ながら存在感を示した。エントリーはわずか数日で完売し、全国的なランニング熱の高まりを改めて印象づける結果となった。
拡大し続けるマラソンカレンダー
42.195キロという距離に挑む文化は、オランダ各地に着実に広がっている。ライデン、ユトレヒト、アイントホーフェンといった都市でも大会が定着しており、毎年のように新たなレースが加わっている。需要の高まりを受け、大会数と参加者数はともに増加の一途をたどっている。こうした状況を踏まえ、関係者の間では医療体制への負荷をどう確保するかという議論も生まれつつある。
夏だけではない「熱中症」の脅威
参加者の増加に伴い、赤十字は熱中症(ヒートレッセル)への対応を強化している。今大会には120人の救護員が配置されたほか、氷と冷却タオルを携えて走路を巡回する自転車搭乗の救護スタッフ20人も投入された。
赤十字の応急処置ガイドライン専門家であるシース・ファン・ロンバーグ氏は、熱中症は真夏の炎天下だけで起こるものではないと強調する。「2月のアペルドールン・ミッドウィンターマラソンでも発症事例がある。気温が低いと選手は重ね着をするが、それが必ずしも良いわけではない」と同氏は語る。通気性のない合成素材は発汗による体温調節を妨げ、体が過熱しやすくなるという。また、都市部と郊外を行き来するコースでは、市街地に戻った瞬間に「熱の壁」に当たり、体が急激な温度変化に対応できず熱中症に陥るリスクもある、とファン・ロンバーグ氏は指摘する。
対策として赤十字は冷水浴槽や氷水に浸したタオルによる冷却を強化しており、ボランティアへの訓練も充実させている。同氏は「完走することは大切だが、自己記録より体の声を優先してほしい」と訴える。水分補給を怠らず、体の異変を感じたら無理に走り続けないことが重要だと言う。
観客の意識向上が救護の速度を上げる
アイントホーフェンのマラソンでは2021年から2026年にかけて、大会期間中の救急車出動件数が40〜50件台で推移し、2025年には75件に達した。ただし、この数字にはランナー以外の市民も含まれており、実際の深刻な事故件数を正確に反映するものではないとされる。ファン・ロンバーグ氏も「参加者が増えれば、何らかのトラブルが起きる絶対数も増える」と述べるにとどめ、発生率そのものが上昇しているとは言い切れないと慎重な立場をとる。
一方で前向きな変化も見られる。沿道の観客がランナーの異変に気づく意識が高まっており、ふらつきに気づいた観客がすぐに声をかけたり救護を呼んだりするケースが増えているという。「観客が私たちの目となり耳となってくれている。その分、早期対応ができるようになった」とファン・ロンバーグ氏は評価する。ハーグに新たに加わったマラソン文化が定着するにつれ、こうした市民の安全意識の底上げも、大会運営の重要な柱となっていきそうだ。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: NOS Algemeen

/s3/static.nrc.nl/wp-content/uploads/2026/11/01031957/ANP-574244442.jpg)


/https://content.production.cdn.art19.com/images/2e/d0/18/ab/2ed018ab-e157-4212-9f27-910ee353f0e1/91502b4bd0fde49ef44f4d5a3d8bc772ebc052dc6a2a3fea3f1473035e78fa243366aaf45d3376d959c28075262335c58da6cf79c1cf6890be2ee46354818675.jpeg)