ガスピストル押収が急増、オランダ警察が違法武器の流入増加に警戒
国境を越えたドイツで合法購入、客の8〜9割がオランダ人という店も
オランダ国内で、ガスピストルや催涙スプレーといった「準武器」の押収件数が急増している。警察の発表によると、押収数は2022年の4,080件から2023年には5,165件へと、約27%増加した。警察はこの傾向を深刻に受け止めており、特にガス・警報用ピストルについて、犯罪組織による悪用リスクを強く懸念している。
国境一つ越えれば”合法的に”購入できる現実
問題の根本には、オランダとドイツの法制度の差がある。オランダでは、本物の銃器と見分けのつかない武器の購入は法律で禁じられているが、国境を接するドイツでは18歳以上であれば許可なくガスピストルや警報用ピストルを購入できる。エンスヘーデ近郊のドイツ・グローナウで銃器店を営むHerman Oldenkotteは、自店の顧客の8〜9割がオランダ人と推計する。「男女問わず、幅広い年齢層が来店する。自分の身を守る手段を求めているのだ」と彼は語る。
特に催涙スプレーの販売増が顕著で、Oldenkotteによれば以前は年3〜4回だった仕入れが今や毎週になったという。「人々が不安を感じ、自衛手段を自ら講じようとしている」と彼は現状を説明する。ただし、オランダ国内にこれらの武器を持ち込むこと自体は刑事犯罪にあたる。警察のアドバイザーであるMartin van der Meijは「ドイツやベルギーで購入してオランダに持ち込めば犯罪になると、理解していない人が多い」と指摘する。
改造で「実銃」に変わる危険性
警察がとりわけ懸念するのは、ガスピストルの改造リスクだ。Van der Meijは「安価で入手しやすく、実弾を発射できる本物の銃器へと比較的容易に改造できる」と述べる。こうした改造ピストルは実際の重大犯罪にも使われており、ジャーナリストのPeter R. de Vriesが射殺された事件でも、改造されたガスピストルが凶器として使われたことが判明している。押収件数の増加が、実際の保有者数の増加を意味するのか、あるいは取り締まり強化の結果なのかは断定できないと警察は慎重な姿勢を崩さないが、「犯罪組織内での深刻な暴力犯罪への使用が増えている点を憂慮している」とVan der Meijは強調する。
在蘭日本人にとっての注意点
武器の流入経路は国境の店舗だけにとどまらない。郵便小包を通じたオランダへの送付も増加傾向にあると警察は指摘する。Oldenkotteは「メールで通販を求める声はあるが、必ず直接来店してもらう」と話し、自店での郵送販売は行っていないとしている。
在蘭日本人にとって重要なのは、「ドイツで合法的に買ったから大丈夫」という認識が通用しないという点だ。オランダ国内への持ち込みは所持・購入経緯にかかわらず違法であり、知らずに違反するケースも想定される。オランダ政府はEUレベルでこれらの武器に対する許可制や禁止措置の導入を求め続けており、今後の規制強化の動向にも注目が必要だ。
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情報源: NOS Algemeen


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