音楽大学のオランダ人学生、20年で52%から22%へ急減
予算削減が招いた「音楽教育の空洞化」と国際化の皮肉
オランダの高等音楽教育機関(コンセルバトワール)で学ぶ演奏家志望の学生のうち、オランダ人はわずか約2割——。公共放送NOSが教育機関DUOのデータをもとに報じた数字は、国内の音楽教育が直面する深刻な現状を映し出している。オランダ人学生の比率は過去20年で52%から22%へと半減以下に落ち込み、演奏家向け修士課程に限ると、留学生が実に78%を占めるまでになっている。国内に9校ある学士課程の音楽系HBO(専門大学)と、修士課程を提供する7校では、今や教室の大半を海外からの学生が埋めている。
15年以上の予算削減が生んだ「空洞」
業界関係者が口をそろえて挙げる主因は、長年にわたる文化予算の削減だ。文化芸術教育団体LKCAの上級アドバイザーでティルブルフ・コンセルバトワールの教員でもあるヤン・ファン・デン・エインデンは、「すべての学校に、子どもが音楽に触れられる体系的な音楽教育があるわけでは全くない」と語る。学校外の音楽レッスンは断片化が進み、費用も受けられる機会も地域によって大きな差が生じているという。
文化芸術評議会(Raad voor Cultuur)の試算によれば、音楽教育を含む文化部門全体で2005年以降、他部門と比較して年間5億ユーロ超の予算が失われてきた。この結果、音楽学校や芸術センターの閉鎖が相次ぎ、個別指導の機会も大幅に減少。「それが才能の育成を妨げている」とファン・デン・エインデンは指摘する。
アマチュア音楽にも波及、国際大会でオランダ団体がゼロ
影響はプロ志望者にとどまらず、アマチュア音楽の世界にも及んでいる。4年に一度、28カ国のオーケストラが集うケルクラーデの国際吹奏楽コンクール(WMC)では、今年のユース部門にオランダのオーケストラが一団体も参加しなかった。WMCのアーティスティック・ディレクター、ビョルン・バスもこの状況を問題視しており、ファン・デン・エインデンとともに政府による体系的・低価格な音楽教育の制度的保証を求める声を上げている。
両者が参照するのはオランダの隣国の事例だ。ベルギーでは音楽レッスンの費用が大幅に抑えられており、ルクセンブルクでは無償の音楽教育が法律に明記されている。一方、オランダでは今学年度、留学生数が約20年ぶりに減少に転じた。政府が国際学生の受け入れ抑制策を進めるなかで起きた変化であり、今後は音楽大学への入学者数にも影響が出る可能性がある。国内の裾野を育てる仕組みなくして留学生頼みの構造が続けば、オランダの音楽教育は長期的な持続可能性という新たな課題に直面することになる。
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情報源: DutchNews



