オランダ船ハンタウイルス集団感染、WHOが正式終息宣言
33カ国650人超の接触者を追跡——新たな感染者は確認されず
世界保健機関(WHO)は、オランダのクルーズ船「MVホンディウス」で4月に発生したハンタウイルスの集団感染が終息したと正式に発表した。テドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は今週初めに「アウトブレイクは収束に向かっている」と述べており、世界30人を対象に続いていた積極的な追跡調査においても新たな感染者が確認されなかったことを受け、今回の終息宣言に至った。
感染の経緯——大西洋上のクルーズ船で何が起きたか
MVホンディウスは3月末に出港し、フォークランド諸島などを経由する46日間の周遊航海に出た。約150人の乗客を乗せてアルゼンチンからカーボベルデへ向かう途中、複数の乗客が体調不良を訴えた。4月11日、オランダ人の69歳男性が船上で死亡。その妻もその後、ヨハネスブルクの病院で亡くなった。さらに5月2日には、ドイツ人の65歳女性も船内で死亡が確認された。最終的な感染者数は計13人に上った。
今回の感染で確認されたのは「アンデス型」ハンタウイルスだ。主に南米に分布するこの変異型は、ハンタウイルスの中でも数少ない「人から人への感染」が報告されている種類だが、そのメカニズムはいまだ解明されていない。感染すると重篤な肺障害や心疾患を引き起こすこともある危険なウイルスだ。感染源については、アメリカのAP通信がアルゼンチン当局者2人の証言として「世界最南端の都市ウシュアイアでのバードウォッチングツアー中に感染した可能性がある」と報じている。
33カ国650人超の追跡——WHOの対応と今後の課題
WHOは今回の対応として、感染者と濃厚接触した人物を世界規模で追跡。33カ国・地域にわたる650件超の接触者を特定・管理し、いずれにも新規感染が認められなかったことで終息判断に踏み切った。テドロス事務局長は「引き続き各国政府やパートナー機関と連携し、今回のアウトブレイクの原因やハンタウイルス全般についての理解を深めていく」とコメントしている。
オランダ船籍のクルーズ船を発端とした今回の事態は、国際的な感染症対応の観点からも注目を集めた。船上という閉鎖空間での感染拡大、乗客の多国籍性、そして人から人への感染経路が未解明な希少ウイルスという三重の複雑さが、対応を難しくした。終息宣言は出たものの、感染源や感染メカニズムの特定はこれからだ。オランダをはじめ世界各国の保健当局にとって、今回の事例はクルーズ旅行における感染リスク管理のあり方を改めて問い直す契機となるだろう。
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情報源: NOS Algemeen



