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欧州の温暖化、世界平均の2倍速——オランダの冬と湿地帯が岐路に
社会 読了 2分

欧州の温暖化、世界平均の2倍速——オランダの冬と湿地帯が岐路に

EUコペルニクス気候報告書が示す、身近な自然への深刻な影響

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コペルニクス日(4月29日)に合わせて公表されたEU気候機関コペルニクスの欧州気候報告書が、改めて欧州温暖化の深刻さを数字で示した。世界気象機関(WMO)のセレステ・サウロ事務局長は報告書の声明で「欧州は世界平均の2倍の速さで温暖化している」と明言し、生態系・生物多様性・人々の生活への「広範な影響」を警告した。欧州の平均気温は産業革命以前と比べてすでに2.5度上昇しており、その変化は遠い未来の話ではなく、すでに日常の光景に刻まれ始めている。

エルフステデントフトが遠のく冬

4月27日のコーニングスダフ(国王の日)、ドッカムでウィレム=アレクサンダー国王がスケート靴を履いて人工氷の上を滑る姿が観衆の喝采を浴びた。1986年のエルフステデントフト参加を懐かしむかのような、ほほえましい場面だった。しかしその裏側で、報告書は本物のトフト開催を可能にする「凍結条件」が急速に失われていると記している。1990年以前は、フリースラント・フローニンゲン・東オランダの広い範囲で、冬に14日以上連続して氷点下になることが珍しくなかった。ところがその後30年で、オランダ国内でその条件を満たす地域は皆無となった。現在、連続14日以上の凍結が観測されるのはスカンジナビアや中・東欧、標高の高い一部地域に限られる。

急速な温暖化の背景には北極圏の変化がある。北極の海氷が溶けて縮小すると、太陽光を反射する白い面積が減り、露出した暗い海面がより多くの熱を吸収する。この自己強化的なメカニズムが、北極圏に比較的近い欧州大陸の気温を押し上げている。特にスカンジナビアの北極圏周辺では昨年、3週間に及ぶ熱波が記録され、極圏付近で30度近い気温が観測されるという前例のない事態となった。

地中海と山火事、自然の連鎖反応

欧州南部でも状況は深刻だ。報告書は地中海の「例外的に高い」海面水温が、昨年6〜7月に南欧を襲った2度の熱波に寄与したと分析している。8月には極度に乾燥したスペイン・ポルトガルの内陸部で山火事が猛威を振るい、欧州全体の焼失面積と森林火災による温室効果ガス排出量がともに観測史上最大を記録した。また、欧州大陸に近い大西洋海域の約90%が「強い」海洋熱波に見舞われており、アイルランド沖では通常より4度高い海水温が観測された。

こうした変化はオランダとも無縁ではない。報告書は地中海の海底約2万平方キロメートルを覆うポシドニア・オセアニカ(海草の一種)が過去50年で34%減少したことを指摘し、その消滅が二酸化炭素を吸収する「炭素貯蔵庫」の喪失につながると警告する。同様に、炭素を大量に蓄える泥炭地も水位低下による乾燥化が進んでいる。報告書はオランダの「デウルネセ・ペール」と「マリアペール」を「残存する重要な保全地域」として名指しで言及した。2021年にはデウルネセ・ペールで710ヘクタールが焼失し、長年蓄積されてきた炭素が一気に大気中に放出された苦い経験がある。

オランダ在住者にとっての意味

今回の報告書は、気候変動を遠い地域や将来世代の問題としてではなく、オランダの現在進行形の課題として捉え直す視点を提供している。スケートができる冬の消滅、国内湿地帯の脆弱性、そして山火事リスクの高まり——いずれもすでに現実のものとなっている変化だ。泥炭地の保全は温室効果ガスの排出抑制だけでなく、生物多様性の維持や水管理とも深く結びついており、オランダ社会が気候変動への適応策を具体化する上でその優先度はいっそう高まっている。

情報源: NRC

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