EU、重火工品の新規制を策定へ―コブラ花火禁止に期待高まる
欧州委員会が来年にも法案提示、施行は早くても2030年前後の見通し
欧州委員会は来年、EU全域を対象とした新たな花火規制の法案を提示する方針を明らかにした。これはオランダ、スウェーデン、フランスの3カ国が先月、ブリュッセルに対して現行規制の見直しを求める書簡を送ったことへの回答であり、委員会は「花火の犯罪利用が増加していることへの懸念を共有する」と応じた。爆弾犯罪や緊急隊員への攻撃に重火工品が繰り返し使われている現状を受け、オランダは長年にわたり規制強化を働きかけてきた経緯がある。
「重大な欠陥」が浮き彫りに
委員会の内部評価では、現行のEU花火規制に「重大な欠陥」があることがすでに指摘されていた。最大の問題は、生産後の流通経路を把握するシステムが存在しないことだ。重火工品がどの段階で「間違った手に渡る」のかを追跡する手段が乏しく、オンラインでの無許可購入も容易に行えてしまう。欧州議会でD66を代表してこの問題に取り組むラケル・ガルシア・エルミダ=ファン・デル・ワレ議員は「スーパーで食品に問題が起きれば産地をすぐ特定できる。なぜ花火はここまで追跡しにくいのか。それが違法業者の摘発を困難にしている」と指摘する。新法では、コブラなど最重量カテゴリーのEU全域禁止、所持を証明する「花火パスポート」の導入、そして流通経路の完全追跡システム整備が柱として検討されている。花火パスポートはすでにオランダ・ベルギー・ルクセンブルクで運用されており、欧州全域への拡大が議論されている。
施行は2030年以降、それまでの対策が課題
ただし、新規制の実現には相当の時間がかかる見通しだ。委員会が来年中に法案を提示したとしても、欧州議会とEU27カ国が合意に達し、施行されるのは早くても2030年前後になると予測されている。ガルシア議員は「早期実現を望むが、過度な期待は持たせたくない」と慎重な姿勢を見せながらも、「オランダからの圧力は引き続き強い。問題は悪化の一途をたどっているからだ」と強調した。懸念されるのは、自国に花火産業を抱えるイタリアなど一部加盟国からの抵抗だ。現在もコブラは同国などで合法的に生産されており、禁止をめぐる交渉は難航も予想される。
ロッテルダム市長でExplosieven撲滅オフェンシブの議長も務めるカロラ・スハウテン氏は委員会の決定を歓迎し、「これは地域社会をよりよく守るための不可欠な一歩だ。このモメンタムを活かして、市民を花火爆弾の攻撃から実際に守れる厳格な欧州法を成立させなければならない」とコメントした。法整備が進むまでの間は、警察機関やオンライン販売プラットフォームとの連携強化による暫定的な対策が急務となっており、在蘭日本人にとっても年末年始の花火シーズンに向けた安全環境の変化として注目される動きといえる。
情報源: NOS Algemeen


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