EU、犬猫の保護強化へ――欧州議会が新法を可決、2030年にはチップ義務化
ブリーダー登録・過度な品種改良の禁止など、EU全域で統一基準を整備
欧州議会は、犬と猫の飼育・繁殖に関する新たなEU法案を可決した。ブリーダーへの登録義務づけ、2030年からのマイクロチップ装着の義務化、そして過度な品種改良や断耳・断尾の禁止など、幅広い措置が盛り込まれている。EU加盟国の閣僚による承認を経て正式に発効する見通しだ。
マイクロチップで”出自”を欧州共通管理
新法の柱のひとつが、マイクロチップによる個体管理の徹底だ。チップにはペットの出身国、出身ブリーダーまたはシェルターの情報、そして現在の飼い主情報が記録され、EU共通のデータベースで一元管理される。これにより、出所不明のペット流通や悪質ブリーダーによる不正取引を抑制することが狙いだ。
新法が特に問題視するのが、見た目の特徴を追い求めるあまり健康を損なうほど品種改良を重ねる「ドーフォッケン」と呼ばれる行為だ。代表例がパグ(モップスホンド)で、過度に平坦な顔の造りが気道を圧迫し、慢性的な呼吸困難を引き起こすことが知られている。ユトレヒト大学獣医学部で動物倫理学を研究するフランク・メイブーム教授は、「飼い主が特定の外見を好む傾向が強まり、私たちはある意味でやりすぎてしまった」と語る。遺伝性疾患は癲癇や関節疾患など多岐にわたり、症状が顕在化するのが晩年になるケースも多いという。
執行の実効性に課題、オランダはすでに先行
断耳・断尾については、ショーへの出場を目的とした犬猫の身体改変をEU全域で禁じる。オランダではこうした行為はすでに長年にわたり法律で禁止されており、今回の新法はオランダにとって国内法の再確認に近い内容となる。
一方、メイブーム教授は執行面での難しさも率直に指摘する。「少なくともこの新法により、同様の問題を抱えた動物が国外から持ち込まれる事態は防ぎやすくなる。しかしEUレベルで穴のない執行を実現するのは容易ではない。遺伝性疾患は外見から判断できないことが多いからだ」と述べている。
オランダに住む日本人のペット愛好家にとっても、この法律は身近な問題だ。2030年以降は、オランダ国内で犬や猫を飼う場合にもマイクロチップ装着が義務となる可能性が高く、ペットの購入・譲渡の際にはブリーダーの登録状況確認が一層重要になる。EU全域での統一基準の整備は、悪質業者を排除し動物福祉を底上げする大きな一歩となりうる。
情報源: NOS Algemeen


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