オランダで疥癬流行が深刻、15年前の11倍超に――「魔法の解決策はない」
GGDが学生オリエンテーション週間に啓発活動、専用アプリも導入へ
オランダで疥癬(かいせん)の流行が収まる気配を見せていない。公衆衛生当局のデータによると、昨年の感染件数は15年前と比べて11倍以上に達しており、依然として高水準が続いている。疥癬はヒゼンダニという微小なダニが皮膚に寄生することで引き起こされる感染性の皮膚疾患で、激しいかゆみや発疹を伴う。感染力が強く、身体的な接触や寝具・衣類の共有などを通じて広がりやすい。
「魔法の解決策はない」——治療の難しさが課題に
専門家はこの流行について「魔法の解決策(magic bullet)はない」と指摘しており、有効な対策を打ち出すことの難しさが浮き彫りになっている。疥癬の治療には特定の塗り薬や内服薬が用いられるが、感染者本人だけでなく、同居者や濃厚接触者も同時に治療を受けなければ再感染が繰り返されるという点が根本的な問題だ。治療のタイミングやケアの徹底度によっては、完治までに時間がかかるケースも少なくない。さらに、かゆみなどの症状が感染から数週間後に現れることもあるため、感染に気づかないまま他者にうつしてしまうリスクも指摘されている。
学生オリエンテーション週間に合わせた啓発とアプリ活用
こうした状況を受け、公衆衛生機関(GGD)は今後行われる学生向けオリエンテーション週間に合わせて、積極的な啓発活動を展開する方針だ。新入生が密に交流するこの時期は感染リスクが高まりやすく、GGDは感染予防の方法や早期受診の重要性を広く周知する。また、感染者の追跡や接触者への通知を効率化するための専用アプリの導入も計画されており、デジタルツールを活用した封じ込め対策への期待が高まっている。
在蘭日本人にとっての注意点
オランダで生活する日本人にとっても、疥癬は決して無縁の感染症ではない。シェアハウスやスポーツクラブ、集合住宅など共同生活の場での接触が多い環境では、感染リスクが高まる可能性がある。皮膚の激しいかゆみや発疹が続く場合は、早めにかかりつけ医(huisarts)に相談することが勧められる。症状が出た際には同居者や濃厚接触者も含めた同時治療が再発防止の鍵となるため、周囲への速やかな情報共有も重要だ。流行が長期化するなか、日常的な衛生意識の維持と早期受診が引き続き求められている。
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情報源: NU.nl




