男性が性差別発言を注意しない理由と新キャンペーン「声を上げろ」
「雰囲気が壊れる」という恐れは根拠なし――調査が示す誤解
友人、同僚、チームメートが女性に対して性的に不適切な発言をしたとき、あなたはその場で声を上げられるだろうか。オランダで公表された新たな調査によると、男性の約6割が「いつも注意するわけではない」と回答しており、その最大の理由は「場の雰囲気を壊してしまうかもしれない」という不安だった。
「空気を読む」ことへの過剰な恐れ
調査が浮き彫りにしたのは、男性たちが抱く一種の思い込みだ。性差別的・性的に不適切な発言を耳にしても黙っているのは、その発言を容認しているからではなく、「注意したら白けてしまう」「関係が気まずくなる」という懸念からであることが多い。しかし同じ調査は、こうした恐れが実際には根拠に乏しいことも示している。指摘を受けた側が場の空気を著しく乱すケースは、当事者が想定するよりもはるかに少ないという。つまり、「言いにくい」という感覚そのものが、現実とずれた思い込みである可能性が高い。
今週始動した啓発キャンペーン
この調査結果を踏まえ、今週から「Man, zeg er wat van!(男よ、声を上げろ!)」と題した啓発キャンペーンが始まった。職場や友人グループ、スポーツチームなど、男性が日常的に集まる場面を想定し、不適切な発言を見聞きした際に周囲の男性が積極的に介入することを促す内容だ。キャンペーンは、被害を受けた女性が一人で声を上げることへの負担を軽減し、男性同士の相互牽制によって問題行動を減らすことを目的としている。性差別への対処を「女性だけの問題」として切り離さず、男性を当事者として巻き込む点が特徴的なアプローチといえる。
オランダ在住者にとっての意味
日常会話や職場環境において、こうした問題は国籍や文化を問わず起こりうる。在蘭日本人にとっても、友人間や職場での不適切な言動にどう対応するかは無縁ではない。「空気を壊したくない」という感覚は日本的な価値観とも重なる部分があるが、今回の調査はその感覚が多くの場合は過剰な自己検閲に過ぎないことを示唆している。小さな一言が、職場や集団の文化を変える第一歩になりうるというのが、このキャンペーンが発するメッセージだ。
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